2023 Fiscal Year Research-status Report
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20K02089
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
丸山 真央 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80551374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陸 麗君 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (70803378)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大都市圏ガバナンス改革 / 大都市圏 / 大都市の国家リスケーリング / シティ・リージョナリズム / 都市政治 / 大阪都構想 / 大阪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本における大都市圏ガバナンス改革の一例として、大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」に着目し、大都市圏ガバナンス改革をめぐる都市政治の構造と動態および社会経済的背景とその関連性を明らかにすることを目的とするものである。大都市圏ガバナンス改革は、グローバル化とネオリベラル化のなかで世界各地の大都市が直面している政治的課題であり、批判的都市研究の分野でもその分析は進められているが、日本の大都市を事例とする研究は乏しく、本研究はその空白を埋めるべく企画された。 研究4年目となる本年度は、研究成果との取りまとめと公表を中心にした。まず、大都市圏ガバナンス改革、大都市の国家リスケーリング、シティ・リージョナリズムなど関連する研究のレビュー、その文脈に即した大阪都構想の分析など、本研究の成果を包括的にとりまとめて論文化し、『シリーズ現代社会学の継承と発展』(ミネルヴァ書房)のうちの一巻(『都市とモビリティーズ』)の分担執筆章として発表した。 また、本研究で実施した質問紙調査をはじめ一連の調査の結果などを活用して、論壇誌『世界』の大阪特集号や専門誌『市政研究』の大阪・関西万博特集号に論考を執筆、寄稿した。社会学の教科書の分担執筆にあたっても、本研究で実施した調査の結果を一部活用した。 口頭発表では、東アジア日本研究者協議会や国際社会学会の国際会議、公開シンポジウムで成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の成果を取りまとめて発表することができ、研究はおおむね順調に進行したが、前年度に実施した調査の分析から、追加の調査と分析の必要性があると考えるに至り、また分析をさらに精緻化して発表する意義があるとも考え、研究期間を1年間延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果を総合的に分析し、取りまとめの論文執筆や口頭発表を行う中で明らかになった、追加の調査や分析を、速やかに実施する。また分析結果を精緻化して発表する。
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Causes of Carryover |
本年度までに実施予定であった海外現地調査の一部が、引き続き実施困難な状況が続いており、本年度も実施できなかったものがある。そこで現地調査で入手する予定であった資料は、別の手段で入手することとし、その調査費用を、これまでの研究で明らかになった追加の調査・分析に充てることとした。次年度に速やかに追加の調査・分析を実施する。
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