2020 Fiscal Year Research-status Report
Gender and Disaster Resilience: A study of women's faith-based relief activities in Japan
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20K02135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
CAVALIERE PAOLA 大阪大学, 人間科学研究科, 特任准教授(常勤) (10769582)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ジェンダー / 宗教 / 宗教的社会貢献活動 / エンパワーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基礎となったのは主に博士論文のための研究(2008~2012)と科学研究費助成事業(基盤科研C, 研究課題「Women and religious civil society in Japan: Implication for participatory democracy」(2016年-2021年)での研究である。2016年-2021年の研究課題からのアウトプットとして災害時の支援活動に女性の視点を反映させる重要性と課題を検討することが必要であるという新たな研究テーマが生み出された。「災害・ジェンダー・宗教」という3つの研究動向をつなぐものとして、本研究は学際的なアプローチによって被災や復興において差異を生み出すジェンダーの脆弱性、災害に対するレジリエンス構築に貢献する宗教団体に所属する女性の役割とコミュニティにおける女性のエンパワーメントを明らかにすることを目的とする。先行文献・研究を参照しながらレジリエンスを高める具体策を模索する。また宗教団体に属せず同様の活動をしている女性と比べ、ジェンダー脆弱性/レジリエンスの度合いと進み方を比較的に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
女性の脆弱性/レジリエンスの分析のため、研究方法として資源へのアクセスモデルの概念を用いて考察し宗教団体に所属する女性の避難生活や復興支援活動などの聴き取り調査やフィードワークによってデータに基づく。R2年2月ごろから新型コロナウイルスの世界的流行および日本各地の防疫対策措置の厳しい影響により、初年のR2年度中の予定していたサーベイ調査(聞き取りインタビュー、観察調査、現地での資料収集)と国内外学会発表を変更せざるを得なかった。対策や情勢を注視しつつ研究の実施可能性を探っていく必要の中、フィールドワーク活動への対象宗教団体にZoomなど上でやや取材できた。しかし予定していた国内外学術会議への参加、発表などが多くの場合延期や中止となったため、国内外学術会議への発表できず、宗教的社会貢献援活動に関わっている他の研究者とネットワークや情報交換はあまり行えなかった。一方、文献調査をしっかり実施し、編集委員長として本研究に関連するハンドブック編集計画に務めて進んできた。また日本社会にコロナ禍のインパクトや宗教団体からのコロナ禍支援活動やコロナ新時代に向けた社会について研究テーマにも取り組んできた。全体的に研究の進捗状況はやや遅れていると言わざるを得ないが、本研究課題の計画は5年間であるため全体的な研究計画も含めて検討を続ける。
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Strategy for Future Research Activity |
R4年度は日本を含む諸外国の新型コロナウイルスに関する感染状況や貿易措置に注視しつつ、国内での現地サーベイ調査(聞き取りインタビュー、観察調査、現地での資料収集)が実施や国内外で研究発表できない可能性も踏まえて研究の方向性を修正しながらすすめる。R3年4月現在、新型コロナウイルスに係る厳しい制限・規制が敷かれており、次年度はこれまでのオンライン調査に基づくデータ収集と主な文献を用いて、コロナ禍や災害と地域社会の対応について分析することを中心に行い、オンライン学会にて研究成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
R2年度末に長期の現地調査を予定していたが、新型コロナウイルス措置による現地調査と国内外会議参加と発表は見送らざるを得なかった。そのため、旅費として計上していた分を次年度にまわす。次年度使用額として生じた助成金について、R3年度末までに制限緩和やワクチン接種が進んでいけば旅費に使うことを計画している。その段階では旅費として計上し、研究用ノートパソコン購入のため物品費としても計上する。
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Research Products
(6 results)