2022 Fiscal Year Research-status Report
性加害行為があった知的障害者へのグッドウェイモデル適用からみる地域生活継続要因
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20K02198
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
山崎 康一郎 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (30635868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森久 智江 立命館大学, 法学部, 教授 (40507969)
水藤 昌彦 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (40610407)
我藤 諭 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90808263)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 性加害行為 / 知的障害 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究全般にわたって、研究分担者3名、研究協力事業所(障害者福祉事業所)の協力を得て遂行した。 研究協力事業所において、性加害行為に対する包括的な治療教育プログラムであるGood Way Model(GWM)を参考に、支援対象者の特性や実施事業所の状況に応じたプログラムを作成し、3年間にわたって実施した。グループでのプログラムは2020年度に導入の準備と試行、2021年度に年間通して14回の実施を行い、プログラムの安全性や有効性を確認した。そして、2022年度には年間通して26回実施した。また、個別プログラムを3ケース実施した。グループプログラムは、性加害行為等の非行・犯罪行為に対して直接介入するものではなく、背景要因となっている対人関係の問題に焦点を当てた内容であるが、支援対象者のナラティブ・ことばを用い、問題となる非機能的認知や適応的な認知を外在化し、適応的な認知、行動を選択するといったGWMの要素を取り入れた。個別面接においても同様の要素を取り入れて、支援対象者の被害体験と加害行為を扱う内容で実施した。 そして、プログラムを既存の支援へ導入することによって生じる変化や導入のための工夫、プログラム実施後の支援者、支援方法、支援対象者の変化について支援者へインタビュー調査を行った。また、支援対象者のプログラムにおける主観的体験についてのインタビュー調査を行った。グループプログラムの実施によって、支援者においては支援対象者の理解が促進され、支援の理念を具体的な支援方法として実施するスキルの獲得につながるといった肯定的な変化が生じていた。そして、それが支援者、支援対象者相互の関係性に肯定的な影響を与えていた。また、グループでのプログラムを既存の支援に導入するときに生じる課題と対応についても抽出しており、今後の拡大に向けた知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Good Way Model (GWM)を実施するために、プログラム実施方法や社会制度的な背景状況に関して、ニュージーランドへの現地調査を実施する予定であったが、2020年度~2022年度にかけて実施できていない。また、現地調査後に、日本での導入に向けて、開発者であるLesley Ayland & Bill West(WellStop,Inc:community-based organization)を招聘しての研修、ワークショップを実施する予定であったが、未だ実施ができていない。 そのため、協力事業所で作成し実施中のプログラムは、GWMそのものとはなっていない。ただし、GWMがもつ主要な要素を取り入れたプログラムとして、3年間にわたって安全に実施することができ、有効性も確認できつつある。したがって、GWMを本来の形で導入するための準備は整っており、現在実施しているプログラムの修正で対応できる状態にはなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
Good Way Model(GWM)の安全で効果的な導入のための実践研究について継続して実施する。2020年度~2022年度にかけて、研究協力施設において非行・犯罪行為の背景要因となる対人関係の課題に働きかけるためのグループプログラムを作成し、年間通じて月に2回程度、安全に実施できる体制が整備された。2023年度はグループプログラムを継続的に実施し、改良を加えて精緻化を行っていく。また、プログラムを体系化し、対象者を拡大して実施できるものとするための修正を加えていく。個別プログラムについては、導入を試行する段階であるが、協力事業所の実施環境や支援対象者の課題を踏まえつつ、GWMの要素を取り入れた形で安全に実施できる内容を作成していく。こうした実践については、支援対象者への効果と、支援者や支援方法に与えた影響について調査を行い、安全で効果的な実施方法について提示していく。 GWMに関する基礎的研究としてニュージーランドへの現地調査を計画していたが、これまで延期となっていたため、今年度、研究分担者を中心に実施する。また、現在のGWMの要素を取り入れたグループプログラムや個別プログラムを、より明確にGWMとして実施できるような研修、ワークショップの実施を計画している。
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Causes of Carryover |
2020年度~2022年度までの研究費の使用予定では、調査研究のための旅費が大部分であったが、研究出張の延期が生じており、計画通りの使用とはならなかった。2023年度に延期していた出張を行うとともに、講師を招聘しての研修を開催する予定である。旅費の主な使用計画としては、Good Way Model(GWM)の開発元であるWellStop,Inc:community-based organization(ニュージーランド)への訪問調査、国内で実施しているプログラムに関するインタビュー調査である。また、WellStopより講師を招いての研修の開催を計画している。その他、インタビュー調査データの分析のために人件費・謝金等が必要であり、さらに、最終年度であるため成果物の作成、配布に係る費用が必要となる。
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Research Products
(1 results)