2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of mental health services in rural and remote areas
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20K02209
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 佳代 鹿児島大学, 法文教育学域臨床心理学系, 准教授 (90616468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 智佳子 鹿児島大学, 障害学生支援センター, 特任助教 (80837237)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレスマネジメント / 離島支援者支援 / 育児支援 / 発達支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、離島における子育て支援モデルを創出することである。2020年度は下記3点に着手し、研究を継続している。 (1)新型コロナ感染症拡大が子ども及び子育てに与える影響の調査(縦断研究):離島を含むA県全土に対し、第1期(2020年8月)調査として、子育て中の保護者に対するWebによるストレス調査を実施した。その結果、感染流行前に比べ、調査対象の92%の保護者が子どもの在宅時間が増えたと感じ、40%の児童に甘えの増加、25%の児童に易怒性の増加が認められた。また、62%の保護者に育児負担の増加が感じられており、48%が疲労の増加を、15%が家族トラブルの増加を感じていた。結果は調査報告書にまとめ、啓発ポスターを作成した。本調査は半年ごとにストレス調査を行い、継続的に親子のストレスの変化を捉えていく。 (2)中学生のストレスマネジメント講座の効果検証:ストレスを緩和する介入効果に関する基礎データを収集するため、同一市内38校の中学生に対してストレスマネジメント講座を行い、講座前後でストレス状況に変化があるかどうか検証を行った。その結果、講座前後で有意にストレス(怒り)が低下してことが示された。介入方法による差異等について継続的に調査を進めていく。 (3)離島支援者支援の検討:離島の児童発達支援事業所職員等を対象にオンラインでインシデントプロセス法を用いた事例検討会や研修会の定期開催を開始した。インシデントプロセス法はインシデント(実際に起こった出来事)をもとに、参加者が事例提供者に質問することで出来事の背景や原因となる情報を収集し、問題解決の方策を考えていくものである。インシデントを中心に展開するため個人情報の提示が最小限ですみ、参加者一人ひとりが主体的に問題解決の方策を考えるため高い教育効果が見込める。継続して離島支援者の支援として効果的な方策を探っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症拡大による影響を受けながらも、オンラインを活用することで目的に応じた調査研究や実践を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)感染症拡大が親子のストレスに与える影響(2)ストレスマネジメント方略の検討(3)離島支援者支援に関する実践的検討の3点について継続的に検討を進める。(1)に関しては、感染状況と親子のストレスについて継続的に検討を進め、調査報告書や調査結果ポスターをタイミングよく提示することで社会貢献に役立てる。(2)に関しては、介入方法による差異について実証的な検討を進め、より効果的なストレスマネジメント方略を探っていく。(3)は実践を継続しながら、支援者支援に必要なこと、離島ならでは子育て文化に応じた支援を検討していく。 以上3点を継続することにより、本研究の目的である「離島における子育て支援モデルの創出」に向け検討を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定していた離島調査が新型コロナ感染症拡大によって困難になり、オンラインでの調査実践に切り替えた。よって、予定していた旅費が執行されなかったため繰り越しとなった。 次年度は状況を見ながら離島調査等も再開をしていく予定であるので、旅費の執行も見込んでいる。
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