2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of mental health services in rural and remote areas
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20K02209
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 佳代 鹿児島大学, 法文教育学域臨床心理学系, 准教授 (90616468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 智佳子 鹿児島大学, 障害学生支援センター, 特任助教 (80837237)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域支援 / 離島支援 / ストレス / 神経発達障害児者 / 支援者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、離島における子育て支援モデルを創出することである。2021年度は前年度の成果を受け、下記3点について研究を展開している。 (1)新型コロナ感染症拡大が子どもおよび子育てに与える影響についての縦断的調査:離島を含むA県全土に対し、昨年度に引き続き第2期調査として、コロナ渦における子育てストレスに関するWeb調査を実施した。測定内容は、SDQ(子どもの強さと困難さアンケート)およびQIDS-SRJ(簡易抑うつ症状尺度日本版)である。その結果、2020年と2021年の年間比較としては、保護者のストレス状況に変化は認められなかった一方で、子どものストレス状況は2020年より2021年の方が増していること、その傾向は特別支援教育を受ける児童に顕著であることが示された。離島であるかどうかによる差異は認められなかった。結果を踏まえ成果公表の準備を進める。 (2)中学生のストレスマネジメント講座の効果検証の継続的展開:ストレスを緩和する方法として呼吸法や動作法を活用したストレスマネジメント教育を実施し、その効果検証を行っている。2021年にはB市内42校を対象に調査を実施した。講座前後によるストレス反応及びストレスコーピングの変化を測定した。その結果、ストレス反応及びストレスコーピングに変化が見られることが示された。結果を踏まえ成果公表の準備を進める。 (3)オンラインによる離島支援者支援の継続:離島の神経発達障害児者の支援者を対象にオンライン研修会および事例検討会を継続的に行っている。今年度は対象を拡大し、行政関係や医療関係者などの多分野多職種のネットワーク形成を目指し研修交流会を行った。離島における支援モデルとしての効果検証を継続的に行っていく。 上記に関して活動成果は概ね予想された方向で順調に継続している。いずれの項目も成果報告に着手し始めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始前には、離島における発達障害児者の支援者を対象に対面での事例検討会や研修会の開催による支援等を予定していた。開始早々の時期から新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、研究計画の変更を余儀なくされたが、対面実施からオンラインによる研修や面接に切り替えることにより、対面による離島支援よりもより定期的に離島支援が行えており、離島での支援活動、研究活動は概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、これまでの成果を踏まえ、下記3点について重点的に取り組んでいく。 (1)感染症対策下での生活が親子に与える影響について調査結果の成果公表を行っていく。 (2)ストレスマネジメント方略を検討してきたが、介入研究の結果を受け、成果公表を行っていく。 (3)離島支援者のネットワーク形成に向けた介入調査を行っているが、継続しながら、インタビュー調査など追加的な調査を行い、離島における子育て支援モデルの創出に向け検討を展開していく。
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Causes of Carryover |
研究代表者の産前産後及び育児休業のため研究を中断するため、当初の予定を変更したために次年度使用額が生じている。復帰後速やかに研究を再開する。
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