2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of mental health services in rural and remote areas
Project/Area Number |
20K02209
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 佳代 鹿児島大学, 法文教育学域臨床心理学系, 准教授 (90616468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 智佳子 鹿児島大学, 障害学生支援センター, 特任助教 (80837237)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 離島へき地 / 地域支援 / 神経発達障害児者 / ストレスマネジメント / 支援者支援 / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は離島における発達支援のあり方を検討することであった。2023年度はこれまでの研究結果をまとめ、成果発表を中心に行なった。 (1)離島における地域子育ての特徴と発達支援課題:離島の子育ては、豊かな外遊びの充実や地域共同体の温かい子育て風土など独自の強みがある。他方、障害や疾患に関する無理解や偏見、専門的支援の不足、地域の強い繋がりゆえのプライバシー確保の難しさなど独自の課題もある。地域ぐるみの子育ての強みを活かしながら、発達支援を向上させるには、支援の充実とともに地域全体のヘルスリタラシーの向上が重要であることが示された。2023年度に研究成果を3本の論文、事例ガイドブックにまとめ公表した。 (2)ストレスマネジメント講座の効果検証:呼吸法や動作法を活用したストレスマネジメント教育の効果を質的量的の双方から検討し、成果を2本の論文にまとめ公表した。ストレスマネジメント講座を行うことで、ストレスのメカニズムについて理解が向上し、自身のストレス反応への気づきが良くなったことが示された。また生活にストレスマネジメントの視点を取り入れようとする意欲が確認され、測定尺度によるストレスの低減が確認された。今後はオンライン環境を活用することにより、離島地域のメンタルヘルスケアへの貢献が期待される。 発達支援においては、支援を利用する子どもが身近な地域で適切な支援を受けられるよう、地域関係機関が連携し、地域全体の子育て支援力を高めるためのネットワークを構築することが重要とされる。本研究は、離島という専門資源が限られた中で支援者のネットワークをオンラインを活用することで構築することで、子どもや家族を中心に据えた包括的支援を提供することができる地域づくりの試みであった。継続的で顔が見える支援者ネットワークを構築することにより、支援者の支援力の向上と地域連携の推進が確認された。
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