2021 Fiscal Year Research-status Report
The development of the training program on queer social work in Japan
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20K02267
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
長澤 紀美子 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (50320875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西梅 幸治 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (00433392)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クィア / LGBT(Q) / SOGI / ソーシャルワーク教育 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、SOGI(性的指向と性自認)専門の電話相談を行っている有資格者(社会福祉士、精神保健福祉士)のソーシャルワーカー若干名にズームにて聞き取り調査を行い、国際学会での発表を行った。調査にあたっては、高知県立大学高知県立大学社会福祉研究倫理審査委員会の承認を得た。 調査の目的は①LGBTQ+クライアントの複合的なニーズの明確化、②彼らのニーズを充足するための、現状のソーシャルワーク実践上の課題の明確化、③SW専門職が彼らに対し適切な支援を行うための今後ソーシャルワーク養成教育に必要な内容に関する意見の収集である。 結果として、①LGBTQ+の電話相談者の主な相談内容や主訴として、(親や恋愛・パートナー等との)人間関係、仕事や就職の問題、医療や福祉サービスへのアクセスなどが多いこと、②ソーシャルワーク(以下SW)実践上の課題については、既存の社会福祉機関や精神保健を主とする医療機関等の社会資源の中で、LGBTQ+に関する知識を持って対応できるところは十分ではないため、電話相談から専門機関へのリファーや紹介への展開が難しいこと、あるいはリファーする際には、クライアントの抱える問題の啓発とともに留意点を伝えることが必要であること、③SW教育への提案として、SOGIの問題が自殺企図などの精神保健上のリスクや生活課題に結び付いていることの認識が必要、SW教育において、差別や抑圧に関する国内外の歴史、ジェンダー・フェミニズムと人権について含むことを必須要件とすることなどが語られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関の管理職として業務負担の増加、さらにコロナ禍の影響により、オンライン教育や配属実習代替のオンライン実習等の新たな対応が必要であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は国外、まずは欧米でのソーシャルワーク教育におけるSOGIに関する教育の調査と教育内容の分析や課題の整理を進めていく。さらに、日本同様にジェンダー規範の強い、アジアの文化圏でのSOGIに関するソーシャルワーク教育について、先行研究が不足していることが分かったため、アジア圏でのSOGI教育の内容と政治的社会的文脈との関連をみていく。先行研究が不足している内容については、有識者に聞き取りを行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために調査や学会発表のための国外出張ができずに予算の残額が生じた。今年度はズームでの国際的な研究会を開催し、国外講師に対しての謝金等に予算を使用した
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Research Products
(1 results)