2021 Fiscal Year Research-status Report
過疎・中山間地域丸ごと創生型認知症カフェの開発と地域・大学協働アクションリサーチ
Project/Area Number |
20K02272
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松本 明美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (50449972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 和子 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 教授 (00589731)
野呂 千鶴子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20453079)
星野谷 優子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助手 (30797923) [Withdrawn]
中村 敏 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助手 (70807403)
石澤 正彦 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助手 (30874979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症カフェ / 過疎地域 / 地域創生 / 協働 / アクションリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染拡大の影響を受けて、研究全体に遅れを生じていたが、今年度は4月に地域ニーズの把握として、栗山地区の地域調査を実施、その結果の分析後に栗山地区社協・自治会長とともに当該過疎地域の資源を活用した地域ニーズに沿った認知症カフェの検討(7月まで)、プレカフェを7月以降に月1回実施し、12月にプレカフェの評価とともに、研究の2段階に移行予定で計画を立案し研究を進めた。 まず、地域調査では、栗山地区住民約1200人、高齢化率48.6%の地域の11自治会(一部合体)の512世帯すべてに対して回覧板による全戸配布、郵送法回収として地域ニーズを調査した。また、地区代表者10名のインタビューを行った。調査結果は、180世帯より返送あり(回収率35.2%)、インタビュー結果と合わせてわかったことは、認知症に対する不安は約6割と高く、日常生活に困っていることとして、スーパー・コンビニなどの不足、医療機関や交通手段不足であり、大学への要望は、認知症予防の講話等専門職による情報提供、知識の獲得支援を希望していた。これらから、プレカフェを検討し、7月からの実施計画を試みたが、再度の緊急事態発令により、8月~11月までの研究中断を余儀なくさせられた。その後実施可能な時期・場所を見直し、過疎地域活性化と認知症の安心生活を目標に、アンケート回収率の高かった日向地区の集会所を起点として、1月よりプレカフェの実施に至った。プレカフェ内容は、ニーズに沿った専門職の講話と介護予防目的のアクティビティ、健康チェックと健康相談を組み合わせた2時間ゆったりのカフェとした。お茶やお菓子は持ち帰りとして、水分補給の時間だけ取り入れ、感染予防に留意し、現在プレカフェ3回目まで終了した。評価としては、カフェ前後に安心調査(個別に生活と健康状態の確認調査)を行っているが、実施後に気分や安心感の維持・上昇が見られていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの感染拡大により、昨年かなりの遅れを生じた。今年度も計画を見直し、4月から7月まではこれまでの遅れを取り戻し、順調に地域調査・結果分析、実施計画立案まで至ったが、再度の緊急事態発令により、カフェの実施を見合わせ、研究中断に至った。認知症カフェ自体が飲食を伴い、交流する企画のものであり、閉じこもりになりやすいコロナ禍に必要な交流ではあったが、高齢者の多い過疎地域でクラスター発生のリスクを伴うカフェの実施は難しいと判断し、5か月間は電話やメールでの打ち合わせ、研究計画の見直しを行い、ようやく1月にプレカフェ1回目が実施できた。このような経過よりやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.引き続き栗山地区のプレカフェを実施(第6回まで)、8月に評価、今後の実施方法の見直し・検討を行う。 2.2つめのアクションリサーチとして、塩谷地区の認知症カフェの検討に入る予定である。現在、塩谷地区は、昨年認知症カフェを初めて開設したが、まだ参加者の十分な確保に至っていないとのことで、大学の参入の要望があった。そこで、まちづくりと認知症の人の安心生活、交流の場の発展形を目標に介入計画をたてることとなった。今後の予定として、5月に地域診断、6月に地域ニーズ把握調査、8月にワークショップを行い、大学の専門職介入のカフェ実施へと展開予定である。 3.3つめのアクションリサーチとして、8月より馬頭地区の地域診断、地域ニーズ把握を予定ししている。今年度で3地区の認知症カフェを展開していく予定である。 初年度の遅れがあるため、2023年度も研究を継続し評価していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額がないため記入しない
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