2021 Fiscal Year Research-status Report
外国人介護技能実習生の就労適応を促すための介護リテラシー尺度の開発と活用
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20K02280
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
椿田 貴史 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (50350997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋崎 和代 名古屋女子大学, 健康科学部, 准教授 (70611424)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人技能実習生 / 日本独自のケア文化 / 日本的な気配り / compassionate care / 日本のケアにおける思いやり / 介護リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、介護職領域において外国人技能実習生の受け入れが始まったことを受け、「日本における介護文化や日本的ケアとは何か」をインタビューおよび質問紙調査を通じて探求する。 これまで、外国人技能実習生を受け入れている高齢者向け介護施設の介護スタッフ、およびインドネシアから来日して介護業務に従事している技能実習生にインタビューおよびアンケート調査を実施した。インドネシア語で返答されたアンケートについても信頼できる翻訳者の協力のもと、日本語に翻訳することができた。 また、上のインタビュー調査の結果、「介護リテラシー」という研究者側から設定した中心概念に関連して「日本的な気配り・思いやり」などのいくつかの現場概念が析出された。これらは差し当たり「日本のケアにおけるcompassion」という構成概念の下位概念として位置付けられる。そして、これまでの先行研究のレビューによって、このような構成概念を海外におけるcompassion研究で提示されているモデルと対比し、その特徴を浮き彫りにするという研究課題を提示することができた。 今後はこのようなcompassion研究の枠組みにおいて、レビューワークをさらに推進した上で、インタビュー調査と質問紙調査をあらためて実施し、日本独自の「ケア文化」「気配り」「思いやり」といったものの特徴を明らかにする予定である。 また、上のインタビュー調査・質問紙調査によって明らかになった事柄については、研究協力先である監理団体および実習生の所属先施設にフィードバックをする予定である。令和3年度では、こうした調査研究のための良好な協力体制を確立することができ、年度後半において、コロナ禍であるにもかかわらず、オンラインによるインタビュー調査を成功させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介護領域における外国人技能実習生の受け入れ先施設に在職中の介護職員(現場スタッフ)と技能実習生に対するフォーカスグループインタビューおよびアンケート調査をR3年度末までに実施することができた。本来の予定であれば、これらは昨年度の初めには終えているはずであった。理由はコロナウイルスの状況下で依頼先と協議し、インタビューを延期したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
1)フォーカスグループインタビューの実施について・・・R4年度の9月までに第2回目を実施する。これまでのインタビュー調査の結果を踏まえて準備をし、効率的に目的とする「日本的な気配り・思いやり」についての質的データ・情報を得る。 2)介護リテラシーというキーワードから「日本的な気配り・思いやり」などのキーワードへの変換・・・これまでのインタビューでは現場の日本人介護スタッフより「日本人に特有の配慮」「日本的な気配り・思いやり」という言葉が出てきた。これが、本研究が質的に析出したいと考えている「介護リテラシー」に相当する現場概念であると考えられた。そこで、本研究のターゲットを示すタームを「介護リテラシー」という、研究者が考案した用語から、「日本的な気配り・思いやり」などといった構成概念へと変換する。 3)「日本独自のケア文化」をグローバルなケア文化の中に位置づける・・・あらためて英語で出版された文献のスコーピング・レビューを実施し、compassion researchに関する質的、定量的データやモデルを収集、分析する。そして、これらの情報を踏まえて、次回のインタビュー調査において質問する項目の作成や結果の内容分析、質的研究に活用する。最終的に、日本における独特のケア文化である「気配り」「思いやり」といった構成概念の特徴を諸外国のcompassion研究と対比させて、その特質を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査が複数回実施できていないことから、謝礼等の支払いが発生していない。また、国内外における学会発表を見合わせたためである。 使用計画は、1)第2回のインタビュー調査およびアンケート調査(謝礼、印刷費、郵送費等)、2)論文執筆のための資料収集と英文校閲、関連する文書のインドネシア語等への翻訳や日本語への翻訳、3)学会発表(旅費、資料作成費)、4)これらの作業過程に必要となる消耗品や通信費の使用を予定している。
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