2021 Fiscal Year Research-status Report
食品のウイルス汚染を評価するための高感度新規汚染指標マーカーの検討
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20K02339
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
山元 誠司 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (20649008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バクテロイデス / RTE食品 / ウイルス汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
そのまま食べることのできる冷凍ベリー類などのRTE食品がウイルスに汚染されていると食中毒事件に発展することがある。本研究では、大腸菌よりもより高感度でふん便汚染を検出し得るバクテロイデスに着目し、ウイルス性食中毒を引き起こし得る極微量のふん便汚染を検出する検査法を確立することを目的としている。 ところが、本研究課題代表者は所属機関である大阪健康安全基盤研究所微生物課にてウイルス検査の主担当であることから、令和3年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の検査対応を最優先にせざるを得ない状況に加えて、国から求められるアルファ株・デルタ株・オミクロン株などへの対応(変異株解析ならびに全ゲノム解析)の負担が大きく、本研究課題実施に時間を割くことが不可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のさらなる検査対応に追われたため、本研究課題実施に時間を割くことが全くできず、令和3年度は本研究課題を進めることが不可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は研究進捗がなかったため、令和2年度の研究実施報告書に記載した推進方策をそのまま採用する。すなわち、様々な生活環境のふきとり水やRTE食品に含まれるバクテロイデス遺伝子の検出を試みるにあたり、そこにPCR反応を阻害する物質が存在すると、バクテロイデスがいても検出することができないため、PCR反応阻害物質の有無を評価するInternal controlとして使用可能な標的遺伝子(GFPなど)の検討を行う。また、核酸抽出試薬やバクテロイデス濃縮法の検討(遠心法、フィルタ―ろ過法、PEG沈法)の検討も行う。考慮すべき事項として、①素手で食品を触った際にバクテロイデスがどの程度付着するか、②ヒトの皮膚におけるバクテロイデスの量、③農業用水由来のバクテロイデス量、④土由来のバクテロイデス量、などが挙げられ、順次解析してデータを蓄積していきたい。
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Causes of Carryover |
令和3年度も新型コロナウイルス感染症の検査対応に追われ、本研究課題実施に割く時間は皆無であり、予算の執行がままならなかった。したがって、研究予算が十分に残されている状態にある。集中して研究が実施できる時期を見計らい、適切に予算執行をする。
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Research Products
(1 results)