2020 Fiscal Year Research-status Report
「学び続ける教員」の基盤の育成を志向する教員養成スタンダードの開発的研究
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20K02455
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
別惣 淳二 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90304146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大関 達也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80379867)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 理想の教師像 / 小学校教員としての資質・能力 / 学び続ける教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度の研究は、教員養成課程をもつH大学の4年次生170人を対象に実施した質問紙調査から、4年次生が有する理想の教師像と大学卒業時までに小学校教員として身につけるべき資質・能力を明らかにしようとした。 分析の結果、4年次生は、「子ども理解や子どもとの関わり」を基盤としながら、「授業内容・方法を工夫する」「生徒指導・学級経営・特別活動を工夫する」「自己の生き方・在り方を考える」「他の教師との協力関係を大切にする」といった要素が複合的に絡み合った教師像をもつ傾向にあった。多くの4年次生は教育実習で出会った教師の行動や考え方から、「子どもとの相互作用の中で成長する教師」像を形成していた。このことから、政府の政策提言や大学の教員養成スタンダードに示された「学び続ける教師」像には解消されない、多様な側面を学生の教師像が持っていた。 大学卒業時までに小学校教員として身につけるべき資質・能力に関しては、「教師としての基本的素養」「教科等の指導する能力」「子ども理解の能力」「学び続ける能力」「連携・協働する能力」「学級経営能力」「生徒指導能力」を回答していた。4年次生は、「学び続ける能力」よりも「教師としての基本的素養」「教科等の指導をする能力」「子ども理解の能力」の方を重視している傾向が読み取れた。また、回答が最も多かった資質・能力は「教師としての基本的素養」であり、その内、「社会人としての素養」の回答件数が最も多かった。さらに、見習いたい学生の教師像の要素が複合的に絡み合って教師像が形成されるのに伴って、身につけておくべき資質・能力もある程度つながりをもって回答していた。それは同時に、学生が意識している資質・能力は個別に分断して存在しているのではなく、資質・能力が相互に繋がりをもって存在していることを示すものであると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおりに研究を進めたため、「おおむね順調に進展している。」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度の研究は、H大学の4年次生に「1年次から4年次までにどのような出来事や契機によって学生自身の見習いたい教師の行動や考え方に変化が生じたのか」「大学卒業時までに小学校教員として身につけるべき資質・能力に認識がどのように変化したのか」をインタビュー調査し、その発話内容を研究代表者と研究分担者がM-GTAを用いて共同で分析する予定である。そこで課題になることが、インタビュー調査の質問内容の設定、インタビュー対象者の選定方法、インタビューの実施方法である。インタビュー調査の質問内容と対象者の選定については研究代表者と研究分担者が協議をして決定していく。また、インタビューの実施方法に関しては、対面での実施が難しい場合は、ZOOM等のオンラインを用いて実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、学会の研究大会がすべてオンライン開催となり、計上していた旅費を使うことがなかったからである。 翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画としては、物品費14万円、消耗品2万円、学会参加に伴う旅費18万円を考えている。
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