2020 Fiscal Year Research-status Report
体操教具「木銃」の教育社会史研究-学校・地域・企業の連携と子どもの「学び」-
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20K02472
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
佐喜本 愛 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (90552216)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 兵式体操 / 小学校 / 体操 / モノ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦前日本の小学校で使用された「木銃」という「モノ」(体操教具)に着目し、学校と地域社会、企業(教材・教具店)、軍隊との連携の具体的な構造を明らかにし、その連携・協働の下に展開された学校教育における子どもの「学び」の実相を明らかにすることである。 2020年度は、主に次のような調査研究を行った。 第一に、教材としての木銃の実態を解明するため、木銃を考案、製造、販売していた企業(文具店、スポーツ用品店、武道具店)などに関する史料を収集した。大手新聞、地方新聞、教育会雑誌などの広告記事を調査し、その掲載内容、方法等の分析を行った。 第二に、木銃の使用方法を指導した兵式体操教員の具体的な様相(年齢、経歴)を明らかにするため、特に教育会雑誌に掲載された検定試験の試験問題等の史料収集を行った。 研究の進捗については、研究代表者が1本(査読付)の論考をまとめ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受け、当初予定していた史料調査に行くことができず、史料収集が大幅に遅れてしまった。そのため、国会図書館等のデジタル史料を利用してできる範囲の調査を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
・コロナウイルス感染拡大のために、今後も史料調査に大きく滞る可能性があるが、これまで収集した史料を整理することを通し、また調査出張が可能である地元福岡県内の図書館を市区町村レベルまで広げ、調査研究を進めさらなる研究の深化を図りたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け、予定していた史料調査に行くことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は出張数を増やすと共に、古書店等における文献収集に力を注ぐ。
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