2022 Fiscal Year Research-status Report
The Educational Project of Canadian Mathodist Church in the Meiji Era
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20K02483
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 智子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (00379041)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キリスト教 / 中学校 / 宣教師 / 医療 / カナダ・メソジスト |
Outline of Annual Research Achievements |
主に国立国会図書館にて、山梨・静岡・東京といったカナダ・メソジスト系宣教師による事業展開地において発行されていた各種新聞を検索し、関連記事の収集をはかった。また、生誕180周年・没後100周年記念の年として江原素六の特別展も開催された沼津市明治史料館において、江原についての調査を実施した。 カナダ・メソジスト系宣教師のミーチャムから洗礼を受け、静岡での公教育発展と並行して、東京での麻布中学校の維持運営に力を尽くした江原については、帝国議会議事録を検討することによって、その広範な教育事業・教育観について考察を深めようと試みた。特に、第二の官立女子高等師範学校を奈良に置くか京都に置くかが争われた1906年から翌年にかけての議会において、京都設置論に最も熱心と称されるほどの活動をおこなっていたことに注目した。江原の論は、京都の官立学校設置歴を重視し、女子教育上の利便性・交通の便といった観点から、議論を組み立てている。政友会という一党の構想を反映した結果としては読み解けない独自性を有するものとして、引き続いての検討を進めたい。教育家ならではの「地域論」として理解するためには、彼が衆議院議員として帝国議会において展開した学事上の発言をさらに収集していく必要がある。 また、幕臣からキリスト教の道に入った一種の社会事業家として江原を捉えたとき、その思想と行動に共鳴しうるキリスト者としてはどのような人物があったのか、彼のキリスト教方面における人脈を明らかにしていくことが課題と認識された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型肺炎問題によるカナダ・トロントでの調査の順延状態が続いているため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査を早期に実施する。また従来どおり、東京の国立国会図書館新聞資料室を活用しつつ、関連各県の公文書についての調査を充実させる。
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Causes of Carryover |
新型肺炎問題に鑑み、カナダ・トロントでの資料収集の調査を順延しているため。2023年度において必ず実施する。
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