2020 Fiscal Year Research-status Report
三陸復興創生のための地域課題解決力を育む小中一貫総合的学習カリキュラムの開発
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20K02505
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田代 高章 岩手大学, 教育学部, 教授 (70294486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 総合的な学習の時間 / 小中一貫 / 地域課題解決力 / 三陸復興・地域創生 / カリキュラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の1年目は、三陸沿岸を中心とする被災地の復興及び地域創生にかかわるカリキュラと教育活動の展開に関する情報収集と実態調査を行うこととしており、当年度は、大槌町「ふるさと科」、住田町「地域創造学」、および青森県東通村「東通科」について、小中一貫教育のカリキュラムの実践状況、その成果と課題についての情報収集に努めた。特に「総合的な学習の時間」におけるカリキュラムに関する実践状況に絞って情報収集を行った。その他、比較対象として、研究協力校に該当する、岩手大学教育学部附属校園、岩手県紫波町西部地区の小中一貫教育カリキュラムについて、実践状況の情報収集に努めた。特に、後者の紫波町に関しては、小中一貫教育カリキュラムの開発を行い、次年度の検証と改善を見通しながら、カリキュラム案について提示した。 それらの成果の一部は、田代高章他「岩手県紫波西部地区の教育課題に応じた小中一貫のモデルカリキュラム(その1)」(岩手大学教育学研究科研究年報第5巻、2021年3月、1-16頁)、田代高章他編『「生きる力」を育む総合的な学習の時間』(福村出版、2021年4月)として公開した。前者では、少子高齢過疎のもと地域差が大きい進紫波町の西部地区の学校統廃合を伴う小中一貫教育カリキュラムについて、地域創生の観点から総合的な学習の時間の全体カリキュラムについて提案・報告するものである。また、後者の文献では、岩手県大槌町「ふるさと科」、岩手県住田町「地域創造学」のカリキュラム全体像とその実践の成果と課題について、その一部を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,実態把握として、研究協力校を含む関東圏の特色ある実践校の現地訪問調査を当初計画では予定していたが、新型コロナウィルスの影響により、実践状況の現地観察と聞き取り調査が実施できず、混乱した状況の中で学校現場に負担をかけないため、アンケート調査も控える形となり、研究遂行の観点からはやや支障をきたした。2年目も新型コロナ禍の影響は免れない状況であるが、現地訪問に制約があるとしても、実践情報の収集や間接的にアンケート調査を行うなど、現に実践されているカリキュラの現状と課題を把握しつつ、研究目的に即したカリキュラム開発と学校現場への情報提供と検証改善に努めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目では、復興や地域創生に取り組む三陸沿岸や中山間地の各学校の現状を踏まえた、総合的な学習の時間を中心とする、地域課題解決力育成に向けた校種間接続カリキュラムの開発・改善に取り組みたい。なお、地域創生の観点から、協力校でもありカリキュラム開発の要請もある岩手県内陸の紫波町、住田町の小中一貫カリキュラム、同様に協力校でもある青森県東通村の小中一貫カリキュラムの開発と検証も視野に入れながら、可能な範囲での学校訪問や実態調査も視野に入れながら、継続的にカリキュラム開発と検証改善に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍により、現地校訪問調査が延期となり、旅費はゼロとなった。また、学校訪問調査やアンケート調査の実施も延期となり、それらの分析等に関わる謝金、印刷費・郵送料も支出しないままとなっており、当初予定の使用額との差が生じた。
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Research Products
(3 results)