2023 Fiscal Year Research-status Report
三陸復興創生のための地域課題解決力を育む小中一貫総合的学習カリキュラムの開発
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20K02505
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田代 高章 岩手大学, 教育学部, 教授 (70294486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カリキュラム開発 / 総合的な学習(探究)の時間 / 学校種間連携 / 地域課題解決 / 社会参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
三陸沿岸部、中山間地域を中心に、震災後に少子高齢化や過疎化がより一層進む地域の学校において、これからの地域の再生や創造に向かう主体を形成するための、地域課題解決型の校種間接続の総合的な学習のカリキュラムの実態と、これから求められる学校カリキュラムの有効な開発をめざして継続研究を行ってきた。 研究期間内に、研究当初より校種間接続を踏まえた総合学習カリキュラムに取り組む地域課題解決の探究活動の学校状況について、青森県東通村・東通学園、岩手県沿岸部の大槌町・大槌学園、岩手県中山間地域の住田町・町内全公立小中高5校の訪問調査を行った。 それらについて全体計画・単元計画等や地域連携協働に関する資料の収集、行政職・管理職・教諭等へのインタビューやアンケート調査を行った。この間は、コロナ禍の影響から、子どもが地域の人々と直接交流しつつ協働して活動する探究活動には制約が生じた場合もあり、成果を挙げつつある事例もあるものの実践状況は多様となっており、カリキュラム検証を十分に行える資料収集には至っていない。また、教員間の意識の違いによって校種をつなぐカリキュラムの意義と目的の共有が課題となる状況もみられる。研究の進捗としては、当初の想定より遅れがちで、各学校毎のある程度得られた実践状況も踏まえて、理論面でのカリキュラム構想の修正提案(目的・内容・方法・評価と地域連携のあり方の視点での捉え直し)を含めた継続研究が必要である。 成果の一部について、「学校種間によって子どもの学びと育ちをどう保障するか」(日本教育方法学会編『教育方法52 新時代の授業研究と学校間連携の新展開』図書文化、110-125頁、2023年)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響がまだ残っており、さらに教員の働き方改革の影響もあり、直接の学校訪問、授業観察、アンケート・聞き取り調査への対応についての時間と回数に制約があり、オンラインや間接情報ではない直接の実態把握を踏まえた、カリキュラム改善のための各学校との協議検討が不十分となった。各学校の実態に応じた、地域創造に資する力を育成する校種間連携の総合的学習カリキュラムの修正改善には至っていないため、進捗状況は遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
各学校に負担をかけない範囲での訪問調査に絞り込むため、当面は、校種間連携の総合的学習を中心に地域課題解決力を育む探究学習カリキュラムを展開する岩手県内の学校(特に、大槌学園「ふるさと科」、住田町「地域創造学」)を中心に、小中一貫教育として求められる地域課題解決力を育むに資する校種間連携の全体カリキュラムの改善提案を目ざしていく。そのための訪問調査や実践観察も実施し、各校の関係教員とのインタビューと協議も実施する。また、理論的にも、課題解決学習や探究の概念検討と、それについての今日的状況を踏まえた学校カリキュラムにおける意義についても再度整理する。
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Causes of Carryover |
各学校訪問調査についての訪問回数に制約があったため、今年度の訪問調査用の旅費への充当、成果分析の謝金等の経費について使用の必要性がある。 また、今年度に出版された本研究に関連して必要な書籍・雑誌等の購入費、インク代、印刷用紙等の研究に必要な消耗品等の購入費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)