2020 Fiscal Year Research-status Report
エビデンスに基づく教育開発援助の展開:インドNGO「Pratham」を事例として
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20K02559
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丸山 隆央 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 特任准教授 (00862666)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エビデンスに基づく実践 / インパクト評価の戦略的活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インパクト評価の実施及び同評価から得られたエビデンス活用により事業の効果向上と拡大を図ってきたインドNGO「Pratham」を事例とし、エビデンスを有効に活用する援助機関の組織運営・体制や事業の計画策定・運営はどのようなものかを考察するものである。2020年3月以降の新型コロナの感染拡大の影響により、当初実施予定であったインドへの海外出張は延期することとし、文献調査により、以下の点についての情報収集を行ってきた。
・Prathamは、読み書き・計算の指導手法の開発・確立のため、各事業において、研究者と、どのようにインパクト評価を計画・実施し、結果を活用してきたか。 ・数次のインパクト評価を継続的に実施していく上でのPrathamの事業戦略、組織運営・体制はいかなるものであったか。また、各評価の計画・実施において、研究者との協力関係をPrathamはいかに構築・維持したか。
Prathamは、読み書き・計算の効果的指導法を開発し、その普及手法として「村落ボランティア・モデル」、「州政府パートナーシップ・モデル」、「ラーニングキャンプ・モデル」を考案し、インパクト評価を通じて効果検証を行い、事業計画に反映してきている。2020年度は、上記3モデルの効果検証と事業計画への反映過程についての研究を進めてきた。Prathamがエビデンスを有効に活用してきた要因とし、組織の設立理念・事業戦略・事業運営上の課題にインパクト評価が有機的に連関していること、インパクト評価の計画・実施・事業へのフィードバックを図る上での前提となる継続的人員配置が行われていることを抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、インドに渡航し、現地調査を実施する予定であったが、2020年3月以降の新型コロナの感染拡大及びインドにおける変異株等の影響により、現地調査の実施が困難となったため。また、現地調査に代えて質問紙調査を進めているが、Prathamの業務過多等により回答の取り付けに多大な時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き現地調査のためのインドへの渡航の目途が立たないことから、質問紙調査等の代替手法による調査を継続する。
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Causes of Carryover |
2020年3月以降の新型コロナの感染拡大の影響により、現地調査のためのインド渡航が困難となったため。また、同様の事情により、日本国内の学会がオンライン開催となったため。生じた次年度使用額については、延期したインドへの現地調査の経費として用いる予定である。
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Research Products
(1 results)