2022 Fiscal Year Research-status Report
エビデンスに基づく教育開発援助の展開:インドNGO「Pratham」を事例として
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20K02559
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Research Institution | JICA Ogata Sadako Research Institute for Peace and Development |
Principal Investigator |
丸山 隆央 独立行政法人国際協力機構(緒方貞子平和開発研究所), 緒方貞子平和開発研究所, 主任研究員 (00862666)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教育開発 / エビデンス活用 / インパクト評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インパクト評価の実施及び同評価から得られたエビデンス活用により事業の効果向上と拡大を図ってきたインドNGO「Pratham」を事例とし、エビデンスを有効に活用する援助機関の組織運営・体制や事業の計画策定・運営はどのようなものかを考察するものである。2022年度は、昨年度の進捗をもとに、オンラインでのPratham関係者へのヒアリング等により、Prathamのエビデンス活用のモデルの概念を以下のとおり精緻化し、とりまとめた論文の学術誌への投稿を開始した。
・Prathamは、読み書き・算数の効果的教授法の普及戦略に関し、事業サイクルを通じて課題を特定し、改善のための仮説を立てインパクト評価を通じて方策の効果を検証することを繰り返し、普及戦略を策定・確立した(サーチ・学習サイクル)。 ・また、Prathamは、インパクト評価とは別に、初等教育学齢期の子どもを対象とし、読み書き・算数にかかるアセスメントを例年実施し、データを公表している。Prathamは、同データをもとに読み書き・算数にかかるインド国内の課題を広く示し、インパクト評価から得られたエビデンスをもとに、効果的教授法により課題を克服しうることを積極的に発信することで州政府や資金拠出機関等のパートナーを拡大してきている。「サーチ・学習サイクル」を拡張した「サーチ・学習・コミュニケーション・サイクル」を通じ、事業効果の向上とスケールアップを図ってきている。
また、Prathamのケース分析を通じて抽出された、データ・エビデンス活用のモデルの特徴の考察のため、米国に出張し、二国間援助機関の中で先駆的にデータ・エビデンス活用に取り組んできている米国開発庁(USAID)の関係部局や、Prathamのデータ・エビデンス活用を側面支援してきているJ-PALグローバルオフィス等に訪問し、それら機関の関係者からヒアリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの感染拡大の影響により研究開始当初から数年間、現地調査の実施が困難であったが、文献調査及びPratham関係者等へのヒアリングをもとに、同機関のデータ・エビデンス活用についての研究を継続し、研究論文の執筆・学術誌投稿を進めており、研究計画の遅れは徐々に解消されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度にPratham関係者に対して行ったオンラインのヒアリングにおいて、Pratham内でデータ・エビデンス活用において主要な役割を果たしている機関(Measurement, Monitoring, and Evaluation Unitや、ASER Center)を特定し、それら機関の活動にかかる現地調査を2023年度は主に予定している。
これまでの研究を通じ、Prathamが前述の「サーチ・学習・コミュニケーションサイクル」を通じ、データ・エビデンスを用いて子どもの読み書き・算数改善事業の効果向上・スケールアップを図ってきていることが明らかとなっているが、2023年度は、そのサイクルを実現するPratham内の組織の機能等について情報収集を行い、同テーマをもとにした本研究における2件目の論文執筆に向け、研究を深めていく。
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Causes of Carryover |
2022年度前半は新型コロナの影響が残り、また同年度後半はPratham関係者の活動計画上、本研究の情報収集のための調査受入が困難であったため。2023年度は、インド等への海外出張等により執行予定。
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