2022 Fiscal Year Research-status Report
The Reseach on the Women's Study Abroad and the Support Network in Modern Japan
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20K02583
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐々木 啓子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 名誉教授 (70406346)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 女子留学 / 女性リーダー育成 / 女性のキャリア形成 / 海外派遣 / 教育方法論の移入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は、学会発表1件(ONLINE 国際学会)と著書1本(共著)であった。昨年度までに戦前期の女子留学生の学校別リストアップを終えたことにより、今年度は第一に女性のキャリアとしての留学経験、そして第二には、留学によって何を学んで帰国後に還元したかという具体的なテーマにそって学会発表と著書の刊行を行った。 国際学会発表(ONLINE)ではPedagogical Objectsに焦点をあてたスペシャルテーマにそった発表を求められたことから、留学という本研究の主旨にしたがって、1920年代に米国に留学したクリスチャン・ソーシャルワーカーの今井よねが、米国で幼児教育、児童心理学、教育方法論としての演劇など新しい教育方法を学び、帰国後に日本の路上紙芝居を、先ずはキリスト教伝道のための教材として活用し、次第に幼児教育者によって幼児教育の教材として取り入れるようになった経緯を発表した。 他方、女性学長に焦点をあてた共同研究に参加し、明治期より女子高等教育の設立に貢献した女子大学を中心とする女性学長たちの経歴を分析した結果、男性学長に比して女性学長たちの留学経験が、その後の彼女たちの地位達成のための重要な要素になっていることを実証的に明らかにし、その成果は他のメンバーとの共著『女性学長はなぜ増えないのか』(共著、2022年7月刊行)で発表することができた。 このように、現代の女性リーダーとしての女性学長の実証的研究によって、本テーマである女子留学の歴史研究に新たな視座を提供することに役立ったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた米国での資料調査が、コロナ禍による渡航制限の解除が見通せないことから計画を立てることができなかった。一方で海外の資料館がオンラインでの資料検索を充実させていたことから、必要な資料が日本でも入手できる環境が整ってきたといえる。また、オンラインでの研究会の開催が一般的になりつつあることは、これまで遠距離のために参加を見合わせていた研究会やシンポジウムなどにも容易に参加する機会が増えたことは予期せぬ効果であったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
渡米しての資料調査は、現地でなければその存在に気付くことのない未開拓の資料を発見することがあるので、引続き渡航を計画したいと考える。一方で、国内の大学図書館や史料館で、これまで制限されていた部外者の資料提供に対して開放を求めながら、引続き資料調査を行う予定である。また、国際学会では対面発表が主流になるなかで、イギリス教育史学会での発表を計画している。
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Causes of Carryover |
計画していた海外調査および国内調査ができなくなったため、旅費相当分を次年度に使用することとなった。
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Research Products
(2 results)