2020 Fiscal Year Research-status Report
就学支援制度に対する認識が進路選択に与える影響―地域差に着目して
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20K02589
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中島 ゆり 長崎大学, 大学教育イノベーションセンター, 准教授 (70581776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花堂 奈緒子 九州工業大学, 高大接続・教育連携機構, 講師(専門職) (50854684)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高等教育無償化 / 就学支援制度 / 進路選択 / 社会階層 / ジェンダー / 地方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新しい就学支援制度に対する認識が中学生・高校生とその保護者の進路選択にどのように影響を与えるかについて、量的・質的調査によって明らかにしようとするものである。対象地域は、研究分担者がこれまで高校に対するヒアリングを実施してきた鹿児島県A市と、比較のため、九州地方で最も人口と大学数が多い福岡県にあるB市の2市とし、調査の実施にあたっては、対象地域の教育委員会を訪問し、実施についての同意と協力を依頼する。 まず1年目にあたる2020年度には、中学校・高校12校の進路指導担当教員に対するヒアリングを実施し、新しい就学支援制度開始前後での進路指導の違い、教員生活のなかで経験的に感じられる生徒および保護者の進路選びに関する意識の変化、地域的条件等について明らかにする計画であった。各学校に依頼状を送付し、依頼はすでに行ったものの、新型コロナウイルスの影響のため、直接学校を訪問してヒアリングを行うことが難しく、鹿児島の高校1校のみにヒアリングできたのみとなった。鹿児島の高校に対するヒアリングでは、就学支援制度の影響はそれほど感じられず、A市以外にある高校に進学する生徒の増加、そして就学支援制度があったとしても、その影響は少なく、女子生徒はこれまでのジェンダー規範による進路選択がなされていることがわかった。 ひき続き、ヒアリングを続け、上記の傾向に学校の違いや地域の違いがあるのかについて検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヒアリングを予定していた鹿児島および福岡の中学校・高校に依頼状を送付し、依頼はすでに行ったものの、新型コロナウイルスの影響のため、直接学校を訪問してヒアリングを行うことが難しく、鹿児島の高校1校のみにヒアリングできたのみとなった。ひき続き、2021年度も、コロナの状況を伺いつつ、ヒアリングを行い、学校の差、そして地域の差について明らかにしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に予定していた鹿児島および福岡の中学校・高校の進路指導担当教員に対するヒアリングが新型コロナウイルスのため円滑に実施できなかったため、2年目も引き続きコロナの状況をうかがいつつ、ヒアリングを実施する予定である。可能であれば、秋までにヒアリングを行い、その後、2年目に予定していた生徒質問紙の作成と実査をしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2020年度は鹿児島および福岡の中学校・高校12校に対して生徒の進路と進路指導に関するヒアリングを行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響で、鹿児島の学校1校のみにしか行くことができなかった。このため、2021年度に繰り越し、ヒアリングを行う予定である。
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