2022 Fiscal Year Research-status Report
就学支援制度に対する認識が進路選択に与える影響―地域差に着目して
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20K02589
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中島 ゆり 長崎大学, 大学教育イノベーションセンター, 准教授 (70581776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花堂 奈緒子 九州工業大学, 高大接続センター, 准教授(専門職) (50854684)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高等教育無償化 / 就学支援制度 / 進路選択 / 社会階層 / ジェンダー / 地方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,近年,国が進めている高校無償化や高等教育の就学支援新制度等の就学支援制度が果たして低所得層の進学率を高めるかを検討するため,大学進学率と家庭の平均所得の低い地域において,中学生および高校生とその保護者が新しい就学支援制度に対してどのような認識を持ち,それが進路選択と教育達成に対する意識と行動にどのように影響しているのかについて明らかにすることである。具体的な対象地域は、高等教育進学率の比較的低い鹿児島県A市と、その比較のため、九州地方で最も人口と大学数が多い福岡県にあるB市の2市とした。前年度には対象地域の中学・高校および教育委員会を訪問し、実施についての同意と協力を依頼するとともに、当該地域の状況とその課題についてヒアリングを実施した。当該年度は引き続き中学・高校および教育委員会へのヒアリングを実施し、そこで得た知見をもとに進学希望、日頃の学習時間、価値意識、家庭的背景を含む調査票を作成し、2022年12月から2023年1月にかけて学校を通して中学生・高校生およびその保護者に対し調査票調査を実施した。2市合わせて調査協力者は中学生148名(回収率99%)、高校生300名(回収率50%)、保護者150名(回収率32%)であった。今後、本調査で収集したデータの統計分析を進めるとともに、就学支援制度のより具体的な影響の過程について明らかにするため保護者に対するインタビュー調査を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響のため初年度に予定していた学校および教育委員会対象のヒアリングが1年以上延期されたため、調査計画が1年先送りになってしまった。ただし、当該年度には残りの学校・教育委員会ヒアリングと質問紙調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
学校・教育委員会ヒアリング、中学生・高校生・保護者質問紙調査を終え、もともと最終年度に計画していた保護者インタビューを残すだけとなった。すでに協力可能な保護者20名程度から同意をとり連絡をとっていることから、2023年度は保護者に対しインタビューを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響のため、調査計画が1年間遅れている。その結果、差額が生じている。差額分は調査計画の時点で最終年度に予定していた額と同等であり、計画通り保護者インタビューのための旅費、文字起こし、謝礼に使用する予定である。
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