2023 Fiscal Year Research-status Report
SDGsの視点に基づくベトナムにおける健康教育プログラム及び教材開発とその推進
Project/Area Number |
20K02616
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
鬼頭 英明 法政大学, スポーツ健康学部, 教授 (90161512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北垣 邦彦 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00295809)
勝野 眞吾 岐阜薬科大学, 薬学部, 名誉教授 (70098523)
西岡 伸紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90198432)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 健康啓発教材 / ベトナム語版 / 中学生 / 健康行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
文部科学省が作成した中学生向けの健康啓発教材「かけがえのない自分かけがえのない健康」のベトナム語訳版を作成するにあたり、ベトナムの関係者と十分な意見交換をして日本語版の意図が尽くされているか慎重に検討して作成に至った。最終版については、ベトナム側の了解もとり、12,000部を印刷し、ベトナムホーチミン市を中心に各学校に配布した。 その上で、本冊子の作成意図や内容について、研究代表者や分担研究者がベトナムを訪問し、ホーチミン市ミントランガーデンを会場として行政関係者や教員を対象に研修会を実施するとともに、意見交換を行った。3時間の研修会を経て、本冊子の内容についてベトナムの生徒に対してとても価値あるものとの評価を受けた。 さらに、ベンチェ州の中学校、ホーチミン市にある中学校及び高等学校、ダナンの中学校及び小学校を訪問し、授業参観するとともに、各校に翻訳作成した冊子を提供し、当該校の教員を対象に、ベトナムの子供たちの健康課題について議論するとともに、本冊子の有効性について意見交換を行った。健康課題の議論については、性行動などが浮かび上がった。また、いずれの学校においても、科目としての保健教育は位置付けされておらず、理科などの時間を捉えて指導されているとのことであった。日本の健康啓発教材の内容のうち、ベトナムで実施されていない内容も多く、日本の保健の授業に対しては高い評価を得る事ができた。意見交換の際、健康教育の必要性から、本冊子がベトナムにおいても価値ある教材として高く評価された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、海外渡航が制限されていたが、2023年になってほぼ問題なく渡航が可能になったため、事業を推進すべくベトナムの受け入れ先と検討を重ね、昨年9月に渡航し、研修会の実施と学校訪問が達成できた。その際、教員との意見交換も達成できた。 ベトナムの行政担当者や教員からは翻訳した健康啓発教材は、ベトナムの子供たちの健康の意識の醸成に大いに役立つとの評価がなされたことから、当初の目的達成に大いに近づくことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、これまでに得られた結果を詳細に分析する予定である。また、教員とのインタビューの結果については質的分析を進める予定である。 日本の健康教育、ベトナムでの健康に関する指導について比較検討し、課題を絞り込むこととしている。
|
Causes of Carryover |
現地でのヒアリングや教員を対象とする調査において、ベトナム語でのデータの分析が残った。これらを踏まえ、さらなる詳細な分析を進めるために、分析に必要とする経費が必要となる。このため、分析費用及び最終的な報告のための経費に充てる。
|