2020 Fiscal Year Research-status Report
古田足日と子どもの文化をめぐる総合的考察-蔵書・資料のデータベース化、調査を基に
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20K02638
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
仲本 美央 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (00327264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 理 文教大学, 教育学部, 教授 (20383466)
鬼頭 七美 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (30785093)
井原 哲人 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (70738765)
西山 利佳 青山学院女子短期大学, 子ども学科, 准教授 (70785526)
宮川 健郎 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 特別専門員 (80166123)
高田 文子 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (80383404)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 古田足日 / 子ども学 / 保育学 / 教育学 / 児童文学 / 近・現代文学 / 国文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は年度当初、緊急事態宣言が発令されたため、活動できない状態にあった。しかし、古田足日の文学観や思想を知るべく、評論と創作を題材として研究分担者による研究会を9月に開催し、情報交換を行った。その後、白梅学園大学に寄贈された古田足日の蔵書資料の精査に当たり、入力項目を設定したフォーマットを作成し、書籍やファイル、ノート類の情報を入力する作業を、毎月5~8回のペースで行った。結果、約1500点の書籍等のリストアップが完了した。 また、2020年2月には古田足日夫人の文恵氏と、「おしいれのぼうけん」の編集者だった酒井京子氏、児童文学作家の今関信子氏、一色悦子氏、山口節子氏、もと童心社編集長・取締役を務めた池田陽一氏へインタビュー調査を敢行した。このインタビューは白梅学園大学・短期大学図書館報「花みずき」第34号(2020・4・1)に紹介された。インタビュー内容の一部は、その後、ちひろ美術館において開催された「没後1年 田畑精一『おしいれのぼうけん』展」に資料提供された。 研究会での論考をもとに、11月の第59回日本児童文学学会研究大会において、研究協力者の佐藤宗子氏による学会発表が行われた。この発表内容は「千葉大学教育学部研究紀要」69号(2021・3・1)に、「現代児童文学」展開期における「アンドロイド・アキコ」の模索:古田足日の「近代」「ジェンダー」「子ども」観」と題して論文化された。また、同じ研究会での論考をもとに、共同研究者の西山利佳准教授によって「古田足日論序説:「実感的道徳教育論」を中心に」と題して論文化された。 3月には神奈川近代文学館と連携して、蔵書や各種資料等の展示および映像展示の準備を兼ねて打ち合わせを行った。新型コロナウィルス感染拡大の影響により展示の準備は難しいものの、資料の保存技術を伝授され、今後の資料精査の際の指針とするべきことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大により、年度の前半では資料の保存されている白梅学園大学への入構規制や県外への移動自粛などにより、インタビュー調査が滞ったことに加え、文献精査も年度後半になってからしか行えなかったため。全国に出向いて高齢者となった古田足日の関係者等へ対面で行う必要のあるインタビュー調査の場合、特に影響が大きかった。
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Strategy for Future Research Activity |
緊急事態宣言の内容や自粛の程度に応じて、出来うる限りインタビュー調査に向けて日程調整していくとともに、文献精査のためのリストアップ作業を引き続き、作業が途切れないように行っていく。また、神奈川近代文学館と連携した蔵書や資料、映像等の展示の実現に向けて準備を行うとともに、文献調査とインタビュー調査の一部のデータに基づいて日本保育学会や日本児童文学学会での学会発表と研究の論文化を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言や移動自粛のため、インタビュー調査が滞り、これに必要な経費が使用されなかった。次年度、2020年度に実施できなかったインタビュー調査の実施の際、使用する。
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