2020 Fiscal Year Research-status Report
Developing A Recovery Program For Children Affected by Post Nuclear Accident Restrictions on Play and Physical Activity
Project/Area Number |
20K02656
|
Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
東 義也 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (60279495)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒尾 貞一 北里大学, 獣医学部, 准教授 (30159488)
山崎 裕 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (40322656)
岩倉 政城 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 名誉教授 (90005067)
峰 友紗 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 講師 (90587651)
Sam Murchie 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 特任講師 (90714709)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 訪問調査 / データ収集 / 健康診断 / 出生児のデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災とそれに伴う放射能汚染から10年の節目にあたる年に本研究は始められた。本研究の目標は、放射能汚染による影響下で育った子どもたちの心身への影響を検討しその回復を図ることであある。そして、今年度は「放射能汚染が子どもの成長・発達・健康に与える影響について検討する」という目的で、子どもの健康診断に関する情報の入手に取り組んできた。 具体的には、保育園・幼稚園で定期的に実施している健康診断データから身長、体重、う歯などの情報を個人を特定せず入手してきた。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、実際に園に訪問できたのは1園のみだった。他の園からは研究調査協力の依頼に対して同意書のサインはもらっており、データについても提供されたが実際に話を聞く機会がないまま今に至ってる。 しかし、得られたデータの中には乳児期からの詳しいデータがいくつも含まれており、さらに出生児の身長・体重も書かれたものもあって、大変貴重なものになると思われる。ただ、園によって提供された健康診断の時期が必ずしも統一されているわけではないので、場合によっては次回は実際に訪問し丁寧に説明して該当期間、できれば2010年から2015年までの6年間のデータの回収を計画している。 いずれにしても今後は回収された健康診断データから、肥満や過体重傾向、やせの発現などの体格の変化、う歯についての情報を分析し検討・考察を加え、保育者への質問紙調査等を通して、今後の保育環境のあり方について具体的に検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、各幼稚園及び保育園への訪問調査が十分実施できなかった。また、当初予定していたデータについて、園の事情により全ては収集できなかった。データ入力についても、アルバイトの協力が大学学内の入構規制により実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでスキャンしたデータ、メモデータをコンピュータに入力、整理し、分析を開始する。これまで学生たちの入構が規制されていたため、入力作業を始められなかった。しかし、現時点(2021年5月)では対面授業も行われるようになったため、今後アルバイト学生による入力等の作業を始める。さらにデータの追加が必要となればそのために新しい園に依頼してデータ収集を進める。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響は現在も続いており、調査対象の福島県は深刻な状況である。質問紙調査及び訪問調査を始めたいが、今は感染状況を見守るしかない。とりあえず現在まで回収されたデータの分析を進め、質問紙の作成に取り組む予定である。 分析作業が進み、また、訪問調査も実現できればその結果を受けて次なる課題である子どもの健康増進のためのプロジェクト構想に入る。そして、汚染下にあっても子どもの心身の発達が阻害されなかった事例を抽出し、今後の子どもの発達保障にあたりどの様な保育環境の構築が必要であるかを解明する。なお感染防止対策を徹底して研究を進める。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きかった。研究協力の依頼状を送り承諾を得たものの、データの回収が思うように進まなかった。幸いデータの提供のあった園が2園あったが、詳しいインタビューのための訪問調査はできないままでいる。また、5月に奈良教育大学で予定されていた日本保育学会は中止、ギリシャのアテネで行われる予定だったOMEP世界大会は翌年へ延期となった。いずれも出張・発表の予定だったが叶わなかったため、出張旅費はほとんど出費されないで終わった。 今後のコロナの状況次第によるが、学会大会等実現すれば研究チームで出張・参加して他の研究の刺激を受けたいところである。また、大学での対面授業も少しずつ始まっているので、学生アルバイトによるデータ入力作業もようやく始めることがができる。そして、福島の保育園・幼稚園へのインタビュー調査や質問紙調査も再開したい。感染防止対策を取りながら滞っていた研究を再開できれば、当該年度の使用されなかった研究費用は確実に次年度で使用する予定である。
|