2022 Fiscal Year Research-status Report
非接触型バイタルセンシング技術による自閉スペクトラム症児スクリーニング技術の開発
Project/Area Number |
20K02680
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
金井 智恵子 和洋女子大学, 人文学部, 准教授 (00611089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 徳道 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00272344)
太田 晴久 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00439366)
土居 裕和 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40437827)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発達障害 / 自律神経活動の計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ASDの自律神経活動を計測することを目的としている。昨年度に続き、今年度は、実験準備を行い、その後、成人の定型発達15名、ASD14名を対象に、情動喚起音響刺激データ ベースIADS(Lang, Bradley & Cuthbert, 2008)に含まれる、5つの感情(幸福、怒り、恐怖、悲しみ、嫌悪、中性)を誘発する音刺激を聴取中の自律神経活動を 計測した。計測では、自律神経活動計測においては、従来型のポリグラフ装置を用いた自律神経活動マルチモーダル計測と、顔動画像を用いた非接触型バイタル センシングによる自律神経活動計測を同時に実施ができるように準備をした。また、心理行動指標としては、TAS-20トロント・アレキシサイミア尺度、AQ質問紙、ADOSを実施した。来年度は、実験、解析後に、海外の論文に投稿する予定である。 またASDの治療についても、103名 ASD男性を対象にして、オキシトシンの新しい鼻腔内スプレーを実施した。その結果、以前よりも低い投与量でピークを示す逆U字型の用量反応曲線が明らかになった(yamasue et al., BRAIN. 2022)。今後もさらに大規模調査により効果を明らかにする必要がある。 さらに、小児期の子どもを対象とした研究として、大学において地域連携型インクルーシブ保育を実施した。インクルーシブ保育によるグループ「子どもグループ」「保護者グループ」の実施により、学生教育だけではなく、保護者にとっても、学生や子ども同士の触れ合い、他の保護者との交流などの場になった。また、「保育者グループ」向け動画に関する質問紙調査を実施したところ、発達障害や発達が気になる子どもに関して、手軽な方法で専門家から学ぶことができる貴重な機会になった。そのため、今回の取組は、専門性の高い学生の育成、子どもと保護者の居場所作り、保育者の学びにつながる可能性がある(金井他、和洋女子大学紀要 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はコロナウイルスの影響により、予定より遅れが出たため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は以下の3点を中心に研究を進めていく。第一には被験者のリクルートを行い、成人ASDの視線計測を実施する。パイロット研究として、定型発達の成人を対象にして実験をすることにより、ポジティブデータが得られた。そのため、実験を行う。第二には、実験後、解析を行う。第三には、海外に向けて成果報告を行うために、論文を投稿する予定である。 計画が順調に進めば、さらにスクリーニング技術の開発から治療へと包括的なアプローチを検討する。
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Causes of Carryover |
理由:当該研究費が生じた状況については、コロナウイルスにより、ASDのリクルートが困難であったため、当初の研究計画よりも遅くなっている。そのため、当初計画していなかったASDのリクルート先の開発を行う必要が出てきたため。 使用計画:研究費使用計画については、リクルート開拓先のための費用、生理的な指標としての機器(パソコンやパソコン周辺機器)、研究資料、研修会、解析ソフトの購入を検討している。
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Remarks |
マイポータル
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