2021 Fiscal Year Research-status Report
発達障害の補償要因の強化を図るための児童虐待防止の支援策の策定
Project/Area Number |
20K02720
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
前原 宏美 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 講師 (20737895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 美幸 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 准教授 (00336314)
浅野 倫子 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 講師 (70867332)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発達障害 / 児童虐待 / 補償要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,児童虐待(以下,虐待)のリスクのひとつとされる発達障害のリスク要因を中和する補償要因を特定し,補償要因を強化するためには,どのような支援を必要とするのかを明らかにし,具体的な支援策を地域行政に提言することを目的とする. 2020年度は,①発達障害と虐待の実態把握を行うために,児童養護施設および児童心理治療施設での実態調査を行い,①障害の子どもが入所している割合,障害の種別,逆外の種類,性別など,②発達障害の子どもの行動特性,情緒面,感情面の特性など,③発達障害の子どもに対する情緒面,感情的支援の実際,支援の課題などの内容を把握することを計画し,施設長および担当者に施設の概要と入所している子どもの特性などの説明を受け,発達障害傾向の子どもの入所が多くなってきていること,虐待実態が依然として多いことなどが把握できた. 2021年度は,発達障害の補償要因とリスク要因の把握を行うために,発達障害の子どもの親に対してインタビュー調査を実施した.インタビュー調査内容は,①発達障害の診断告知前に体験した相互作用の難しさ,かかわりの不適応さ,葛藤,不安など,②自責感,罪障感,疲労感など,③発達障害の診断告知後に体験した否定的感情の変化など,④発達障害の子どもと生活するうえでの相談,支援体制などとした.発達障害の子どもの親は,包括的で継続的,段階的な支援を必要としていること,子どもの成長に伴い,家族機能の変化が生じるため,18歳以降の支援の整備,高齢化にともない障害者に対する虐待の問題を視野にいれた支援体制の整備が重要な課題であることがみえてきた. 2022年度は,引き続き,発達障害の子どもの親に対して,インタビュー調査を実施し,具体的な支援策の検討を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は,2020年度に引き続き,コロナ過での実態調査となったため,発達障害の子どもの親が活躍しているサークル活動,自助グループ,各種団体が主催する企画などの活動状況の実態把握に対する調査依頼が円滑に進めることができなかった.2022年度は,実態調査とインタビュー調査を並行して実施し,具体的な支援策を検討することを進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,実態調査とインタビュー調査を継続して実施すること,コロナ過での調査を継続するために,オンライン環境を整備することを課題とする.
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Causes of Carryover |
2021年度は,コロナ過での実態調査となったため,調査の縮小に伴い,次年度使用額が生じた.電子機器,調査結果を分析するためのソフト,オンライン環境の整備にかかる物品などの購入にあたり,慎重に検討を重ねており,次年度以降の購入となったため,次年度使用額が生じた.
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