2022 Fiscal Year Research-status Report
ライフヒストリー分析によるユネスコ活動の継続要因に関する研究
Project/Area Number |
20K02729
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
安達 仁美 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30506712)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユネスコスクール / 継続要因 / 民間ユネスコ運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ユネスコが提唱するESDの拠点校であるユネスコスクールの数は増加傾向にあるにも関わらず、継続的にユネスコ活動に従事する人数は減少傾向にある。そこで、本研究では、継続的にユネスコ活動に従事している者のライフヒストリーに着目し、ユネスコ活動の継続要因について明らかにすることを目的とする。具体的には次の3点の研究課題に取り組む。 1)ユネスコスクールの教師・生徒におけるユネスコ活動の継続性に関する現状を明らかにする。 2)退職後も継続的にユネスコ活動を行っている元教師の継続要因について明らかにする。 3)卒業後も継続的にユネスコ活動を行っている元生徒の継続要因について明らかにする。 2022年度は、上記の研究課題の内、主に1)ユネスコスクールの教師・生徒におけるユネスコ活動の継続性に関する現状調査と3)卒業後も継続的にユネスコ活動を行っている元生徒の継続要因の分析に取り組んだ。ユネスコスクールから民間ユネスコ活動への継続を考えるにあたり、ユネスコスクール卒業生の中から、ユネスコ協会に所属し継続的に活動している者に対してインタビュー調査を実施し、在学中から現在までのライフストーリーから、ユネスコに対する意識の変容や卒業後の活動選択要因ついて明らかにすることを試みた その結果、ユネスコスクールはユネスコスクール卒業後の活動へとつながる、情報取得の場として機能していること、ユネスコ活動に関心が高い教師が、卒業後の活動へとつなぐキーパーソンとして位置づいていること、キャリアアンカーの形成に繋がっていること、学校とは違うコミュニティへの所属が「情緒的安心感」や「サードブレイス」を形成していること等が明らかとなった。研究成果は、日本質的心理学会第19回大会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ユネスコスクールに在籍している生徒と教師に対する質問紙調査と、教員としてユネスコ活動に携わり退職後も現在までユネスコ協会に所属しながら継続的にユネスコ活動を行っている研究対象者に対してインタビュー調査を行う計画を立てていたが、研究計画を再調整し2022年度は卒業生に対するインタビュー調査分析を中心に行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は教員としてユネスコ活動に携わり、退職後も現在までユネスコ協会に所属しながら継続的にユネスコ活動を行っている研究対象者に対してインタビュー調査を行う。また、2022年度に実施予定であった継続性に関する現状調査についても再調整した上で実施を試みる。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた研究大会が開催となり旅費が発生しなかった。また2022年度は計画していた質問紙調査を行わなかったため、実施や資料整理等に必要な人件費や謝金についても使用しなかった。繰り越された助成金は、研究計画を再調整した上で2023年度以降の調査に関わる謝金や学会発表等の旅費に使用する。
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