2020 Fiscal Year Research-status Report
人工知能技術と開放型MR装置を用いた低コストなものづくり技能学習システムの開発
Project/Area Number |
20K02810
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺西 大 広島工業大学, 情報学部, 准教授 (50237004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 慎平 広島工業大学, 情報学部, 准教授 (30455183)
竹野 英敏 広島工業大学, 情報学部, 教授 (80344828)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 暗黙知 / 開放式MR / 球面SOM / 解説エージェント / 低コスト実装 / 技能計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の取り組みについて,本研究を4つの課題に分けて述べる. 課題(1)の「初学者用開放式MR型ものづくり技能学習システムの開発と検証」について,ものづくり技能の集積と伝承の必要性の高い,切削・研磨組立加工,板金加工,計測・測定の4分野の一つであるやすりがけ技能を対象に,開放式MR型の学習支援システムについて,計測部を従来の接触型デバイスから非接触型モーションセンサへの置換に取り組んだ.また,動作特徴などの提示方法について,従来型のMR装置の基礎実験からMR表示機能の知見を得た. 課題(2)「暗黙知・形式知の抽出・可視化・分類のための人工知能技術の開発と検証」について,先行研究のやすりがけ(切削・研磨)技能に特化した暗黙知の抽出・可視化・分類を行う球面自己組織化特徴マップ(SOM)の改良に取り組んだ.具体的には,従来設置数が離散的で限定されていた特徴マップのノードをより任意な数に設置できる配置アルゴリズムについて調査検討した. 課題(3)「ものづくり技能学習,開放式MRに適した解説エージェントの開発と検証」について,解説エージェントを用いた教材提示において,従来の動画教材のほかに,さらにデータ量を軽減できるPowerPointスライドでの教材提示においても,動画と同等以上の学習効果が得られることを確認した. 課題(4)「ものづくり技能学習システムの低コスト実装」では,PCなどの教育現状の既存設備を最大限利用した低コスト実装として,球面SOMの表示ソフトウェアについて,導入が容易なJavaScriptによる実装を行った.また,曲面ディスプレイによる開放式MRの可能性について,基礎的検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染防止のため,成果発表や情報交換を行う学会などが中止,またはオンラインに移行したため.また,被験者を募った実証実験が,難しくなっているため.
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Strategy for Future Research Activity |
課題(1)「初学者用開放式MR型ものづくり技能学習システムの開発と検証」について,まずはやすりがけ(切削・研磨)のものづくり技能を対象に,非接触型モーションセンサと平面ないし曲面ディスプレイを用いた「暗黙知」を提示できる開放式MR型の学習支援システムを開発し,初学者を対象にシステムの有効性を検証する. 課題(2)「暗黙知・形式知の抽出・可視化・分類のための人工知能技術の開発と検証」について,やすりがけ(切削・研磨)技能に特化した暗黙知の抽出・可視化・分類を行う人工知能技術である球面SOMを改良し,はけぬりなどの他の技能へ適用する. 課題(3)「ものづくり技能学習、開放式MRに適した解説エージェントの開発と検証」について,ものづくり学習に適した解説コンテンツ,ならびに開放式MRに適した提示手法の開発を進める. 課題(4)「ものづくり技能学習システムの低コスト実装」について,上記(1)で開発したシステムをPCなど,教育現場の既存設備を最大限利用した低コスト実装に取り組む.具体的には,安価な非接触計測デバイスによる計測部の低コスト化,ExcelなどのOfficeソフトウェアで標準的に利用できるVBA言語やJavaScriptによるシステム本体の実装を進める.開発したシステムは実践を通してその有効性を検証するとともに,改善を図る.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,国際会議,国内会議の現地開催が中止となり,国内移動,渡航が困難になったため,国内旅費,外国旅費が未使用となった.また,本年度購入予定であった力覚フィードバック装置の価格変更があり,本年度配分額では購入が難しく,次年度購入することにしたため,次年度使用額が発生した.これについては,次年度の国内外の学会出席への旅費,物品購入費として使用する.
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