2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Product and Issue of Sport Literacy Education regarding National Curriculum Reform in P.E.
Project/Area Number |
20K02812
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 勇三 愛知学院大学, 教養部, 教授 (30151955)
黒川 哲也 九州産業大学, 人間科学部, 教授 (50390258) [Withdrawn]
村末 勇介 琉球大学, 教育学研究科, 准教授 (10782344)
續木 智彦 西南学院大学, 人間科学部, 准教授 (60468791)
鐘ケ江 淳一 九州産業大学, 人間科学部, 教授 (90185918)
口野 隆史 京都橘大学, 発達教育学部, 教授 (60192027) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スポーツ・リテラシー / カリキュラム改革 / 体育 / 学びの履歴 / スポーツ観 / スポーツ価値意識 / 教員養成システム / 個別最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、二つの課題遂行を目指して研究に取り組んだ。一点目は、台湾における学びの履歴調査をwebアンケートにて実施するため、台湾・台北へ出張し、調査準備を整えることができた。ただし、現地の事情により9月の新学期に対応することが困難であったため、次年度に実施する段取りを組むこととなった。最終年度であるが、本研究は引き続き遂行する。もう一点は、この間行ってきた日本における学びの履歴調査の分析であり、これらの結果は、二つの学会発表で報告を終えた。 本研究を総括するにあたり、明らかとなった成果とそれに伴って示された課題を以下の通り示す。①小学体育および中学体育における「体育的学力」の充実には一定の成果を示していた。一方、高校体育においては成果の高まりは認められず、カリキュラム改革の成果は確認できなかった。②教師の指導性タイプや子どもの学習への構えタイプは、学習志向に向かう構えを増加させていたものの、体育嫌いの子どもたちはそれらの望ましい構えが学習成果と関連しておらず、「体育的学力の獲得」が十分に保障されていないことを示唆していた。③このように体育の愛好度の違いによる「体育的学力」の獲得における格差を鑑みれば、現在その導入が強調されている「個別最適化学習」が体育嫌いの子どもたちに「体育的学力」を保障するものになり得るのかどうかについては、慎重に検討される必要がある。 最後に「体育授業における学びの実態と子どもたちの発達課題」を明らかにする「学びの履歴測定バッテリー」は、体育カリキュラム改訂の妥当性を検討するための手がかりを提供することが有用であることを示唆していることが明らかとなった。
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