2021 Fiscal Year Research-status Report
「期待の三層構造」と価値再構成による学力向上好循環モデル
Project/Area Number |
20K02814
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
丸山 千佳子 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 特任教授 (90866857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 順也 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 准教授 (20451643)
本図 愛実 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (70293850)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学力向上 / 期待 / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域・学校における「期待の三層構造」とそれによる価値づけ(価値の再構成)から、学力向上好循環モデルを示し、実証することを目的としている。 本年度は、昨年の調査結果の精査を行い紀要論文にまとめ、モデル構築への足掛かりとした。すなわち、学力向上を実現した学校の教職員に、上司である校長とのエピソードに関する質問紙調査を行い、それらの記述について形態素解析を行った。回答記述において注目されたのは「自分」という語の頻出であった。これらについて、「効果的学校」論と動機づけの「達成の選択に関する期待―価値モデル」の融合を図りつつ検討を行った。「効果的学校」論からは成員に「期待」を示し自律的な成長を導くリーダーシップ、「達成の選択に関する期待―価値モデル」からは、「期待」とは「アイデンティティ、短期目標、長期目標、自己認識、自分の能力に対する認識」の育成であることを導くことができる。これらから、教職員がもつ個々の目標の「見通し」について校長が現実のものにしていく働きかけを行い、価値の再構成を促していたことがわかった。その際、調査対象者を①管理職・行政職になったグループ、②ベテラン教員のグループ、③ミドル・若手教員のグループに分けた場合、用いられる語に異なる傾向があり、①グループは、「学校」「教育」「管理」「信」「特別支援学級」「連携」「改善」など学校経営に関する語の他、「教頭」「主任」「主幹」「担任」など職位に類する語の使用も多かった。他方、②グループは、「授業」「自分」などミドル・若手教員グループと共通の語も多いが、「子供」「機会」「時間」「大切」「学級」など子どもとの日々の関わりや授業についての語彙が多かった。 これらの分析とまとめの他、次年度の研究に向け、行政と学校との関係の分析について、ヒアリングと質問紙調査の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型感染症により、国外調査を実施できなかったため。国内調査においても、メイル送付での質問紙調査のみとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
行政と学校の関係に焦点をあてて調査を行い、モデル構築のための情報を収集する。学力学習状況調査の組織づくりに関わるデータの精査も行う。
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Causes of Carryover |
感染症による移動制限のため、調査研究ができなかった。また、研究発表においてもオンライン開催の他、勤務校で開催された大会を活用したため、旅費を使用しなかった。次年度は調査研究を実施したい。
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Research Products
(4 results)