2022 Fiscal Year Annual Research Report
「期待の三層構造」と価値再構成による学力向上好循環モデル
Project/Area Number |
20K02814
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
丸山 千佳子 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 特任教授 (90866857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 順也 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (20451643)
本図 愛実 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (70293850)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サーバント・リーダーシップ / 価値の再構成 / 学力向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のリサーチクエスチョンには、「自律的な資質能力向上を導く、個々人にとって最適な学力向上のための指導と環境とは?」がある。解のための鍵概念として、サーバント・リーダーシップをおき、A自治体をフィールドとして、教育長・校長・各教師の三層間における「期待」について実証研究を行った。 「期待」についてはエックルスによる子どもの学習動機に関する「期待―価値理論」を上記三層間においても援用可能であると捉えた。エックルスが一経路とした「子どもがもつ目標と総合的な自己理解(アイデンティティ、短期目標、長期目標、理想の姿、自分の能力に 対する認識)」について、「自他の『期待』のなかで、短期ならびに長期の目標達成とともにアイデンティティが形成される」と再定義し、A自治体の高い教育成果(B県で学力向上自治体として広く認知されている)における、教育長からの「期待」、それを基に新たな資質能力を向上させた校長たちの学校経営、そこに連なる各教職員の活動と成果を分析した。 教育長の「期待」は、学力向上を土台としつつ、一人ひとりの教職員を大事にするという姿勢が明確に伝わってくる種々の仕掛けとして表出され、校長をはじめ、各教職員の内発的動機づけを高めることに成功していた。 校長の新たな資質能力とは、脱序列化された人材育成を行う知識と技術である。この力の発揮は、様々な教職員の活躍による学校のパフォーマンス向上を導き、それがまた自治体全体のパフォーマンスも高め、保護者・地域からの好評価が教職員の動機づけを高めるという、好循環の核として機能した。
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Research Products
(4 results)