2022 Fiscal Year Research-status Report
学習アセスメントを軸とし学習改善を促進する組織的授業研究に関する実証的研究
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20K02891
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
山本 佐江 帝京平成大学, 人文社会学部, 准教授 (10783144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有本 昌弘 東北大学, 教育学研究科, 教授 (80193093)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 形成的アセスメント / ミドルリーダー / 組織的授業研究 / アセスメントリテラシー / 主体的に学習に取り組む態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学習アセスメントを活用して組織的授業研究を可視化し、カリキュラム・マネジメントを通じた教員のミドルリーダーへの職能成長を実現する持続的な授業研究のあり方の提言を目的としている。各学校での文脈において、組織的授業研究の過程をいかに明らかになるようにするかについて、授業研究、アセスメント研究、ミドルリーダーの組み合わさった複合的要因を探索する。研究範囲は、各学校のミドルリーダーを中心として、新たに教師の学習参加する若手教員、管理職、教育委員会で研修担当者等幅広い人材を対象とする。本研究では、学習指導要領の学習評価についての提案を具体化するために、アセスメントの視点から授業研究および学習の質向上について検討するため、ミドルリーダーのアセスメントリテラシーを含む実態とその改善に必要な提案をめざす。 本研究では、人脈をつくりながら授業観察やインタビューを重ねてきた。学習指導要領の学習評価の中核をなす形成的アセスメントの理念への理解が深まるように、特に「主体的に学習に取り組む態度」について説明を行ってきたが、概念がむずかしく十分とは言えない面も残ったが、多くの対象者に説明を広げる中で、少しずつ分かりやすい説明の工夫が増してきた。 また、社会文化理論の側面から学習およびアセスメントをとらえなおす視点で、授業研究を分析することにより、現在の学校の授業研究の過去とのつながりが明確になり、過去から現在を照射する視点で、現在から未来を見通す視点への示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の山本による対象者であるミドルリーダーのインタビューについてはほぼ目途がついた。遅れている、学校全体の組織的授業研究の在り方の調査については現在までで3分の1以上を終え、データの起こしも完了している。残りのインタビュー作業、データの起こし、分析についてはさらに急いで行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度中に完了できなかった作業を遂行する。インタビュー調査に関しては、今年(令和5年)の夏までに、データの起こし(文書化)も含めて完成する。そのうえで、インタビュー、フィールドワーク調査をもとに、本研究で明らかになった知見をまとめ、学会ほかでの報告、および大学紀要ほかでの論稿として公表していく。年度末までに、主なインタビューデータを資料として含めた成果報告書を刊行する。
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Causes of Carryover |
本研究は令和4年度をもって事業期間終了となるが、研究代表者(山本)がCOVID19の状況を鑑みフィールドである学校に行けなかったためおよび国際学会の発表に参加できなかったため次年度使用額が生じ、事業延長申請を行った。本来令和4年度中に完成するはずであった研究と成果公表の作業を、令和5年度に進める。
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