2020 Fiscal Year Research-status Report
中学校理科および高等学校における魅力的な材料教育手法の開発と実践研究
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20K02919
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岩切 宏友 琉球大学, 教育学部, 教授 (80325480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (20433089)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 理科教育 / 材料科学 / 材料強度学 / 教材開発 / 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
材料強度学を学ぶための一般的な実験機器は大型・高価であり、専門教育機関以外にはほとんど設置されてない。このため、中学校や工業高校以外の高校では材料強度学についての教育を行うのは難しい。このため、本年度は安価なフォースゲージを利用した材料強度評価法の視点を取り入れた教材の開発とその実践的研究を試行的に実施した。本年度開発した材料強度評価手法は「引張試験」、「3点曲げ試験」、「押しつぶし試験」、「引き剥がし試験」の4種類である。すべて最大荷重500 Nの一般的なフォースゲージを利用し、児童・生徒が実際に装置を操作して材料試験を実施しうる材料を100種類程度準備した。 試行的な実践研究として、令和3年度の3月に小学生~高校生の20名を対象とした特別講座を開講し、参加者に上記の4種類の材料試験を体験させた。本実践の評価を確認するために、ワークショップ修了後にアンケート調査を実施した。各質問項目については5段階評価法で問い、「まったくそう思わない・あまりそう思わない・どちらでもない・そう思う・とてもそう思う」の順に1点から5点まで配点し、回答者の評価を点数化して集計した。 設問項目である、「材料の強さや丈夫さに対する新しい知識や観点が得られた」、「材料の強さや丈夫さに対する自分の理解や考えが変わった」、「材料科学についてより深く学んでみたいと思った」についての平均評価値はすべて4.5以上のスコアを示した。また、特別講座の感想には、「金属は固くなっても丈夫にはならないと初めて知りました」、「強さにはいろいろな種類,測り方があると分かった」、「金属の延性や展性は知っていたが、それによる材料の性質に興味を持ったことがなかったので新しい発見の連続で驚きました」等のコメントがあり、本研究で開発した材料強度評価法が児童・生徒に受け入れられていることが明確になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置の導入や試験法の開発等は順調に進展したが、コロナ禍により学校現場等での調査や実践研究の進展に支障をきたした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに進展させていくが,附属中学校や公立学校における実践研究のタイミングを新型コロナウィルス蔓延とうの社会的情勢を踏まえて慎重に決定する必要がある。なお,本年度3月には学会等で成果報告を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
いくつかの消耗品が想定価格より僅かに安く購入できたため、1,311円の繰越金が生じた。この繰越金は次年度に消耗品として使用する。
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