2022 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるキャリア教育の質保証に向けたカリキュラム・マネジメントのモデルの開発
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20K02954
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
長田 尚子 立命館大学, 共通教育推進機構, 准教授 (90552711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 洋子 立命館大学, 共通教育推進機構, 教授 (70290608)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キャリア教育 / カリキュラム・マネジメントト / 教養教育 / 類型化 / 訪問調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
今後の推進方策として掲げていた3点に従って検討を進めることができた。それらは、1)従来科目に対するキャリア教育科目の特徴を改めて明らかにする、2)キャリア教育科目体系の実施組織や体制、内容的な特徴からの類型化を行う、3)認識された各類型について必要に応じて詳細な調査を行い、類型を網羅することで、カリキュラム・マネジメントの仮説的モデルの精緻化を行う、の3つである。具体的な成果としては以下のとおりとなる。 1)については、今後のキャリア教育科目の中心の1つとなりうる課題解決型PBLを対象にした実践を踏まえて、科目の体系化から考察したカリキュラム・マネジメントの在り方を国際会議(The 4th WACE International Research Symposium on Cooperative Education)で発表した。同会議はオンライン開催となったが、産学連携教育に関する実践者が各国から参加しており、多様な形式での課題解決型PBLについて意見交換できた。また、日本キャリア教育学会第44回研究大会において、研究分担者とともに初年次向けのPBL授業について発表を行った。2)については、2021年度に実施した「ウェブ調査」をさらに精緻化しウェブの検索とデータのまとめを継続した。その結果、調査結果の内的妥当性を高め、その結果を6つの類型としてまとめることができた。この経過は日本キャリア教育学会第44回研究大会において研究分担者とともに発表を行った。3)については、当初から予定していたがコロナ禍によって遅れていた訪問調査を年度の後半から開始することができた。また、専門分野の研究者を招聘しての研究会も実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績に示したように、1)~3)に関する検討を進め、一定の成果を得ることができた。研究の推進にあたっては、研究代表者と研究分担者での定期的な検討会を行うことができている。一方で、当初から予定していた、検討対象の大学を選定した上での訪問調査についてはコロナ禍以降遅れている状況が続いている。年度後半から訪問調査を開始することができたが、データの分析は次年度に持ち越して実施することとなったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、キャリア教育科目に関する「ウェブ調査」に加えて、本格的に開始した「訪問調査」を有機的に位置づけ、総合的な考察へと進めていく予定である。具体的には、「ウェブ調査」を通じて仮説的な6類型を検討しているが、それぞれの類型の大学について訪問調査を行う。現在6類型中2類型について訪問調査を行ったが、残りの4類型についての調査を進め、類型ごとに、ウェブ情報と実際の現場での考察を統合化し、カリキュラム・マネジメントの在り方を探っていく。以上の内容については、論文投稿を念頭に考えていく。また、大学のキャリア教育を担当する研究者との連携を図り、本研究の総括に向けて、学会でのラウンドテーブルや研究会の開催を企画し、議論を深める。 最終的には、本研究開始時点に提示していたキャリア教育科目に関する仮説的なカリキュラム・マネジメントモデルについて、実践的な課題を踏まえて考察を深め、実践者に向けた情報提供ができる形でまとめていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
訪問調査を通じてインタビュー等を行うことを予定していた部分の交通費やインタビューの文字起こし費用についての一部が未執行となった。2023年度以降は、ここまでの調査結果にもとづき、いくつかの大学に対して追加で訪問調査を行うことを検討しているとともに、調査データをもとに関連分野の専門家を招聘しての研究会開催、学会発表等を予定していく。
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Research Products
(4 results)