2023 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるキャリア教育の質保証に向けたカリキュラム・マネジメントのモデルの開発
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20K02954
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
長田 尚子 立命館大学, 共通教育推進機構, 准教授 (90552711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 洋子 立命館大学, 共通教育推進機構, 教授 (70290608)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大学教育 / キャリア教育科目 / 類型化 / カリキュラムのマネジメント / 組織のマネジメント / 課題解決型PBL / 体系化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、各大学の解釈と実践者による展開を通じて多様な発展を遂げている大学のキャリア教育科目について、カリキュラムとマネジメントの観点から捉え直し、今後の課題を明らかにすることを目指している。昨年度からの継続的な実施項目として、以下の3点についての検討を進めることができた。1)本研究では、多様なキャリア教育に関して建設的な議論を進めるための土台として、「ウェブ調査」による類型化を行ってきた。今年度はここまで導出した6類型について議論の精緻化を進め、共通教育・教養教育に関する先行研究を踏まえた上で、キャリア教育における独自の類型化とマネジメントの必要性を明らかにした。この内容については、2023年度大学教育学会課題研究集会で発表した。さらに考察を進め、論文投稿を行っている。2)昨年度からの継続として、「ウェブ調査」から明らかになった各類型について、先駆的な取り組みを行っている大学への「訪問調査」を行っている。今年度は3大学への訪問の他、2大学についてのメールによる調査を行うことができた。「訪問調査」によるヒアリングはほぼ完了したと考えており、ここまでのヒアリングによるデータのとりまとめに入り、類型化とあわせた総合的な考察を開始した。3)大学におけるキャリア教育科目の中で各大学において近年導入が進んでいる産学連携の課題解決型PBLについては、教育方法や授業実施形態の一つとして捉えられてしまうことが多く、カリキュラムとマネジメントの観点からの考察が進んでいない。本研究ではこの点に着目し、研究代表者の本務校におけるカリキュラムを対象に課題解決型PBL科目のマネジメントについて体系化の観点から検討を進めてきた。今年度は、関連する科目間の「連携」に加えて「接続」の観点から実践にもとづく考察を行い、大学教育研究フォーラムにおいて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始直後の初年度および二年度目に予定していた「訪問調査」が、コロナ禍により、実施時期の観点から後ろ倒しになったため、当初計画としてはやや遅れていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに「訪問調査」をほぼ完了できたため、当初計画に立ち返り、取りまとめに入る。研究実績の概要で示した3点に基づき、学会発表や論文執筆を通じて総括を行うとともに、ラウンドテーブルや研究会の形式を通じて、関連領域における研究者との議論を深め、研究成果の共有を図る。1)「ウェブ調査」に基づく類型化については、検討をさらに進め、論文発表を行う。2)「訪問調査」によるヒアリング内容については、タグ付けを通じた質的分析を進め、わが国における大学でのキャリア教育科目の課題をまとめ、実践研究として発表する。3)産学連携の課題解決型PBLについては、大学授業としての質保証とキャリア形成支援の両側面から考察を深める。PBLを推進するために重要な存在である学生アシスタントの役割も含めて検討を進める。
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Causes of Carryover |
本研究の「訪問調査」に遅れが出た分、次年度使用額として予算が残っている。次年度は総括を行うためのデータ整理、学会発表、論文投稿に加え、研究会開催のための資料作成等に使用する。
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