2020 Fiscal Year Research-status Report
Program Development of Inclusive Disaster Prevention Education by Disability Understanding
Project/Area Number |
20K03046
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
冨永 光昭 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50227633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩太 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (20637673)
長澤 洋信 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (60844454)
正井 隆晶 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80880632)
楠見 友輔 立教大学, 文学部, 特別研究員(日本学術振興会) (80896069)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特別ニーズ防災教育 / covit-19 / インタビュー調査 / 特別ニーズ防災教育研究会 / 障がい理解 / 新しい生活様式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、通常の学校(小学校・中学校・高等学校)で実施可能な「障がい理解に基づくインクルーシブ防災教育プログラム」の作成を目的とする。特別支援学校の防災教育と比べ、通常の学校における特別なニーズのある子どもの防災教育には多くの課題が見られ整備が必要であることから、特別なニーズのある子ども本人・クラスメイト・教員の障がい理解に着目し、実態調査と先行事例の集積により防災教育プログラムを開発し実施・検証することが研究の中心となる。令和2年度は、まず、国内外の状況をふまえ、特別ニーズ防災教育やインクルーシブ防災教育等の新たな概念規定を行った。その結果、国連等の防災・防災教育の捉え方を踏まえ、自然災害のみならず原子力被害やcovit-19等感染症パンデミックへの対応も広く防災・防災教育に加え、covit-19感染症拡大の特別支援教育への影響をテーマとして調査研究を進めた。具体的には、知的障がい特別支援学校の協力を得て、休校時と学校再開時における①衛生管理、②子どもと教員の健康管理(感染対策)、③リスクの高い子どもへの対応、④学習保障、⑤対コロナ教育、⑥自己研鑽・研修、⑦子どもまたは教員の社会的・心理的ケアについてのインタビュー調査を実施し、知的障がい特別支援学校におけるCOVID-19に対する対応の課題について明らかにした。また、近畿2府4県の特別支援学校に所属する教員らで構成される研究会「特別ニーズ防災教育研究会」を組織し、実践・研究情報を集積するシステムを構築し特別ニーズ防災教育研究会のホームページを作成した。成果は、定期的に開催する研究代表者・分担者等による会議と、「特別ニーズ防災研究会」専門委員交流会で報告し、新型コロナ感染症を含む特別ニーズ防災教育に関する実践・研究情報等を共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は、covit-19の感染拡大により、特別支援学校を含む全学校において通常の学校運営・授業等に制約が生じたことから、国内外の学校視察等による実態把握を目的とした調査をはじめ、特別ニーズ防災教育に関する質問紙調査についても実施することが困 難な状況になった。 しかし、「特別ニーズ防災教育」の捉え直しから、covit-19感染症のパンデミックへの対応を研究対象に加え、covit-19感染拡大による特別支援教育への影響をテーマとして調査を進めた。令和2年度については、知的障がい特別支援学校の協力を得て、covit-19感染症の影響を受けた大規模な休校が,知的障害児の学習にどのような影響を及ぼしたかを明らかにすることを目的としたインタビュー調査を実施した。また近畿2府4県の特別支援学校に所属する教員らで構成される研究会「特別ニーズ防災研究会」を組織し、情報収集するシステムを構築することができた。このような状況から、次年度に向け、特別支援学校を中心にcovit-19感染症対応を含む特別ニーズ防災教育の調査研究を進める予定である。 以上の研究及び研究会設立は、今後の研究活動を円滑に進めるために重要であり、今後、系統的・発展的に研究を展開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の取り組みと研究を踏まえ、研究代表者・分担者及び近畿2府4県の特別支援学校に所属する教員らで構成される研究会を活かし、以下の取り組みを進める。 (1)特別支援学校における「新しい生活様式」を踏まえた指導内容・方法に関する調査研究 (2)covit-19感染症拡大による特別支援学校の教員のストレスに関する調査研究 (3)ポストコロナ社会の「新しい生活様式」を踏まえた特別支援教育のあり方の提案
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大の影響により、支出を次年度にまわした。物品費・調査経費等で使用予定である。
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