2022 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育における準正課活動での集団的認知責任の向上を支援するデザイン原則の研究
Project/Area Number |
20K03066
|
Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
近藤 秀樹 神田外語大学, 教育イノベーション研究センター, 准教授 (90517088)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅之 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (10610206)
大崎 理乃 武蔵野大学, データサイエンス学部, 講師 (50630802)
遠山 紗矢香 静岡大学, 情報学部, 講師 (80749664)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 準正課活動 / 集団的認知責任 / CSCL / 知識構築 / 協調学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,協調的な知識の構築を目指す学習環境において,学習者の共同体をどのように形成し,どのように発展させていくべきかを探索することを目的として実施してきた.本年度までに,ネットワーク分析における媒介中心性を共同体のメンバーにフィードバックすることを検討してきた. 最終年度の本年は,オンライン上の掲示板で活動する知識創造型共同体における社会的相互作用を可視化し,共同体のメンバーにフィードバックすることの効果を検討した.具体的には,大学生を中心とした10名程度の共同体において,記事のリプライの関係から算出した媒介中心性の値や,ネットワーク図を図示する機能を実現し,それらの機能がメンバー同士のインタラクションを促進させるかを検討した.可視化機能の利用ログと掲示板に投稿された記事の質を過去の活動の記録と比較した.その結果,共同体のメンバーが継続的に可視化機能を利用すること,またメンバーの投稿する記事に創造的な内容が増えること,可視化機能がメンバーに対して返信を促すように感じられることが示された.この成果を含め,研究業績として査読付き論文2編の出版,国際会議3編,国内学会1編の発表を実施した. 研究期間全体を通じて,オンライン上で活動する共同体のメンバー同士の関与をネットワーク分析によって捉え,メンバーの活動を可視化してフィードバックすることが,学習者の共同体の発展に寄与することが示唆された.これらの支援は記事の投稿や返信といったメンバーの明示的な関わりに基づくものであり,概ね当初の計画通りの研究が遂行できたと考えられる. 今後は記事の返信や投稿にくわえ,より暗黙的なメンバーの活動についても評価指標や可視化フィードバックの手法を検討し,学習者の共同体の支援の可能性を拡げていきたい.
|
Research Products
(6 results)