2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and Validation of Training Programs for Social and Emotional Skills
Project/Area Number |
20K03185
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
向後 千春 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00186610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 真由美 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任准教授 (10829899)
冨永 敦子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60571958)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会情動的スキル / 非認知的スキル / 基本的心理欲求 / インストラクショナルデザイン / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究期間の3年間で以下の3点について明らかにしようと計画している。1つ目は、社会情動的スキルについてのこれまでの知見を元にして、その全体的な構造をモデル化することである。2つ目は、社会情動的スキルについてのモデルに基づいて一貫性のある具体的なプログラムを設計開発することである。そして3つ目は、そのプログラムを実践しながら改善し、最終的にその効果を検証することである。 1年目である2020年度は次の2つを研究成果として実施した。1つ目は、日本教育工学会の全国大会で2つの発表をした。社会情動スキルの重要性についてレビューし、それを特に成人にトレーニングするためにはどのようにすれば良いかについて考察したものと、そのレビューに基づいてオンラインで社会情動的スキルをトレーニングするためのワークショップを設計したものである。 2つ目は、早稲田大学エクステンションセンター中野校で「社会情動スキルを身につける:アドラー心理学をベースにして」というオンライン講座を2日間にわたって開催したことである。これは1つ目のレビューとトレーニングの設計に基づいて、実際のトレーニングコースを実施した。 2年目の研究は、コロナの影響が長引いたため対面による実践的な研究が足踏み状態であった。その代わりに、研究レビューを進め、日本教育工学会の2022年度春季全国大会で「教える前提としての基本的心理欲求と学ぶ基盤としての社会情動スキル:その統合とコース開発」と題する発表を行った。 3年目もコロナの影響のため対面による実践研究が足踏みとなった。その一方で、日本教育工学会の研究会で「基本的心理欲求とアドラー心理学に基づく感情制御のコース設計」という研究発表を行った。本来、3年目が本研究の最終年度であったが、こうした状況により、1年間の研究延長を申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目の目標は、社会情動的スキルについてのこれまでの知見を元にして、その全体的な構造をモデル化することである。これについては、日本教育工学会の全国大会において2回発表をおこなったことでほぼ達成できたと考えている。 この知見とコース設計を元にして、対面によるワークショップを試行することを計画していた。しかしながら、新型コロナ感染が拡大していたため、対面によるワークショップは実施できなかった。これに対応するため、早稲田大学エクステンションセンター中野校で対面で実施する予定だった「社会情動スキルを身につける:アドラー心理学をベースにして」という講座をオンラインにより、開催することができた。具体的には、土曜日に90分の講座を2コマ開き、それを2回にわたってZoomで開催することができた。オンラインによるワークショップは、一定の制約はあるものの、効果的なコースになりうるという感触を得ている。 研究2年目もまたコロナの影響が長引き、対面によるワークショップの実践はできないままに終わった。そのため研究レビューに時間を振り向けた。そのおかげで、Ryan & Deci (2017) の基本的心理欲求モデルの枠組と社会情動スキルの関連づけをすることができた。 研究3年目もまたコロナの影響により対面によるワークショップの実践はできなかった一方で、「基本的心理欲求とアドラー心理学に基づく感情制御のコース設計」という論考を発表し、コース設計のステップを進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の1年間の延長を申請したので、4年目が最終年度となる。対面によるワークショップが開催可能となる条件下で、ワークショップを企画し、実施していこうと計画している。 最終年度となるため、これまでの研究成果をまとめて、成果報告をしたい。
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Causes of Carryover |
2022年度も引き続き新型コロナによる影響があった。そのため、当初予定していた対面によるワークショップが開催できなくなるなどの研究上の影響を被った。それにより研究データを収集するなどの当初予定していた予算を使うことができなくなった。 そのため研究を1年間延長し、そこでこれまでできていなかった対面による実践研究を実施し、最終年度として研究のまとめをしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)