2023 Fiscal Year Annual Research Report
健康に関する疑似科学的言説をもつ宣伝の特徴と浸透状況に関する研究
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20K03272
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加納 安彦 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (50252292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 伊織 愛知学院大学, 心理学部, 准教授 (10568497)
石井 拓児 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (60345874)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 疑似科学 / 健康食品 / ヘルスリテラシー / 科学リテラシー / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
1)「健康食品」の広告分析:特に機能性表示食品を対象とし、機能性表示として最も多い「脂肪系(体脂肪、中性脂肪、内臓脂肪等)」に関する食品と、高齢者が多く利用すると考えられる「認知機能」を訴求する食品を取り上げた。2年分の新聞掲載広告並びに折り込み広告を対象として調査したところ、「脂肪系」食品は24商品、178広告、『認知機能』食品は10商品、52広告があった。いずれも広告回数の多かった2商品を対象として、KH coderを使用して分析した。この結果、いずれの食品の広告も、科学的根拠が極めて不十分である一方、ネガティブな問いかけかを用いていた。また、臨床試験を経ていることを強調して「根拠」論文に由来する「テータ」(グラフ)を示していることも共通していた。「脂肪系」食品の広告分析は第77回日本栄養・食糧学会(2023年5月)で発表し、「認知機能」食品の広告分析に関する成果はヘルスコミュニケーションウィーク2023(2023年9月)で発表した。 2)医療従事者への教育:理学療法士などを対象としたセミナーを1回実施した。おもな内容は、機能性表示食品制度やその科学的根拠に関する信憑性などついてであった。関連して、疑似科学の歴史や理論について解説した。疑似科学については、幅広く関心が持たれており、ラジオ番組(鎌倉FM「理系の森」、2023年10月、11月、合計4回)でも連続講座のような形で放送された。
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