2022 Fiscal Year Annual Research Report
Factors developing cognitive and non-cognitive abilities in childhood and adolescence: From a genetic and environmental perspective
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20K03342
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
敷島 千鶴 帝京大学, 文学部, 教授 (00572116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 哲也 国士舘大学, 文学部, 講師 (40794897)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝と環境 / 学力 / 認知能力 / 非認知能力 / 双生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年にスタートした小中学生の双生児とその両親を対象とした「学力と生きる力のふたご家族調査」の第3回調査を、2022年3月に実施した。協力世帯は744家庭であり、2003年から2010年生まれの小学5年生から高校3年生までの双生児736組、父親592名、母親734名から調査票の回答を得た。 最終年度である2022年度には、返信された調査票の整理と電子化、学力テストの採点、データ入力とデータクリーニング、これまでの調査データとの連結を行い、統合的なデータ分析を開始した。全協力家庭に、全体の調査結果を郵送でフィードバックし、学力テストの個人結果開示を希望した家庭には、個人結果の送付も行った。 研究代表者は、従来の行動遺伝学の双生児分析に、全国から無作為抽出された家庭のきょうだいデータを組み込むことにより、学力形成における共有環境がきょうだいの相互作用である可能性を示唆した。本研究課題の独自性として掲げた「家族パネル調査と双生児調査という2種の異なる手法の統合」が達成された。 研究分担者は、情動知能と表情認知の3時点の測定値に、行動遺伝学の縦断データ分析を施すことによって、子どもの非認知スキルの発達軌跡に対し、遺伝と環境がどのように影響を及ぼすのかを解明した。本研究課題の独自性として掲げた「大規模データに基づき、先進的な量的解析手法を用いることで、頑健な知見を得ることを目的とする実証性の高い研究」が達成された。 これらの知見は、2023年3月、日本発達心理学会第34回大会のシンポジウム「発達行動遺伝学研究のこれまでとこれから」において、前者は「小中学生の学力の発達に寄与する遺伝と環境―双生児家族調査と全国家族パネル調査統合の試み―」というタイトルで、後者は「児童期後期・青年期の社会情緒的コンピテンスの発達における遺伝と環境」というタイトルで、話題提供として発表された。
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