2021 Fiscal Year Research-status Report
教員が子どもの不登校のサインに適切に気づく力を獲得するためのプログラム開発
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20K03367
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
五十嵐 哲也 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90458141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茅野 理恵 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60754356)
藤川 大祐 千葉大学, 教育学部, 教授 (50288429)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 不登校 / 前兆 / 教員養成 / 予防的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度においては,本調査として質問紙調査を実施した。 対象は,複数の教員養成系大学・学部に所属する1~4年生である。 調査内容としては,2020年度に作成した「不登校の前兆を示す模擬事例」を用いた。2020年度には,「不登校の前兆を示す模擬事例」として,「不登校になる」可能性が高いと判断されるもの,低いと判断されるもの,中程度の可能性であると判断されるものを作成し,それら計6事例を使用した。調査では,それらの事例の登場人物が,その後「不登校になる」可能性について4件法で回答してもらった。また,不登校になる可能性以外に,「虐待の被害を受ける可能性」「いじめ被害を受ける可能性」「暴力行為を行う可能性」についても調査した。加えて,関連尺度として「不登校に対するイメージ」「不登校対応自己効力感」「教師のイラショナルビリーフ」「認知的複雑性」を尋ねた。 現在のところ,不登校に対してネガティブなイメージをもっている学生は,「不登校になる可能性が高い模擬事例」「不登校になる可能性が中程度である模擬事例」は,不登校になる可能性があると判断しやすいことが明らかとなっている。一方で,不登校に対してポジティブなイメージをもっている学生は,「不登校になる可能性が低い模擬事例」について不登校になる可能性があると判断していることも明らかとなった。これらの結果は,不登校に対してポジティブなイメージをもっている学生はその他の学生が気づかない側面に注目している一方で,不登校に対してネガティブなイメージをもっている学生は,誰もが理解できる側面にのみ注目している可能性があることを示していると考えられる。 今後は,本調査に関する分析を詳細に深め,教員養成で利用可能なプログラム開発に結びつける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた本調査が終了し,分析に着手しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査の結果に関する分析を進め,その結果を踏まえたプログラムの開発を進める。その後,プログラムの実施に向けた検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により,参加予定であった学会等の対面開催が引き続き困難な状況となっている。そのため,予定していた旅費等が使用できていない。 ただし,次年度以降はプログラムの開発や実施等のために旅費が必要となると考えられる。また,2022年度に対面での学会が開催されれば,それらを含めた旅費に使用する予定である。
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