2021 Fiscal Year Research-status Report
自己有能感・社会的受容感の発達と社会情動学習との関連:就学移行期における縦断研究
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20K03399
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Research Institution | Shirayuri University |
Principal Investigator |
眞榮城 和美 白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (70365823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅崎 高行 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (00350439)
田仲 由佳 清泉女学院大学, 人間学部, 准教授 (30621122)
酒井 厚 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (70345693)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己有能感 / 社会的受容感 / 社会情動学習 / 就学移行期 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策下での対応を継続しつつ、当初計画していた家庭に訪問する形式での観察をオンライン形式で実施可能かどうかについて予備調査を行う等、準備の期間とした。また、幼児期を対象とする調査データの分析に取り組むことにより、今後のさらなる研究基盤の構築を目指した。具体的な研究成果は次の通りであった。幼児期の自己有能感(主として知的コンピテンス)と母親の全体的自己価値感との関連について、子どもの気質および社会経済的要因を統制した上で交差遅延効果モデルを用いて検討した。対象者は調査開始時に3歳年齢の子どもを持つ母親450名であり、その後、4歳、5歳の時点での調査にも参加していた者を分析対象とした。分析を行う際には、社会経済的要因および子どもの性別を統制変数とし、3時点の交差遅延効果モデルによる検討を行った。結果、3 歳時点での子どもの知的コンピテンスが4 歳時点での母親の権威的養育態度(一貫性のある肯定的養育態度)に正の影響を及ぼし、4 歳時点での母親の全体的自己価値感が5 歳時点での母親の権威的養育態度および子どもの知的コンピテンスに正の影響を及ぼしている可能性が示唆された。これらの結果から、母親の権威的養育態度(一貫性のある肯定的養育態度)は、子どもの知的コンピテンスの高さに影響を受け、母親の全体的自己価値感は権威的養育態度および子どもの知的コンピテンスに影響を及ぼすという親子間のダイナミックな相互作用が示されたものと考えられる。これらの結果に基づき、親子相互作用に着目した研究実施計画における観察基準の精査を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に伴い、当初予定していた調査対象者のリクルートやご家庭に出向いて実施する観察調査の遂行が困難となったため。また、調査実施方法の変更準備に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020度末頃からオンラインでの調査実施を模索している。オンライン調査の展開可能性が強くなってきたが、研究目的を考慮し、対面で実施できる部分についても検討を重ねている最中である。今後も調査実施内容を精査しながら準備を進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に基づき、2021年度までは調査の実施を控えていた部分があり、過去2年で行うべきところを2022年度に実施する予定となっているため。
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