2021 Fiscal Year Research-status Report
学童期におけるASDのある子どもの情動制御方略に関する研究
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20K03405
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
岡野 維新 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (10824021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 祐子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10319999)
門田 昌子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20549620)
竹内 いつ子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30760665)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ASD / 学童期 / 情動調整 / 情動調整方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は学童期における自閉スペクトラム症のある子ども(以下:ASD児)が,ネガティブな情動が生じる場面において自身の気持ちを落ち着かせるためにどのような方略を用いているのか(以下:情動調整方略),その特徴を明らかにすることを目的としている。そして得られた知見から学童期ASD児の情動調整に関する実態を捉え必要な支援について検討する。 令和3年度の研究成果として,研究計画に基づき,まず4月から9月までの計14日間,児童精神科の療育場面にて,学童期ASD児を対象とした自然観察を実施した。併せて,随時得られたデータを分析し学童期ASD児の情動調整方略の特徴について検討を行った。自然観察の結果より,情動調整が困難であると言われている学童期ASD児ではあるが,個人場面や対人場面など様々な状況下に遭遇しながらも自身の情動を多様かつ独特な方略を駆使しながらうまく調整を行っている様相が示された。一方で,調整が困難となる場面も観察され,内容を詳細に検討するとその背景の一端には本人にとっては調整方略でも一般的には望ましくない言動であるという不一致が生じており,自他相互にかみ合わない状態が長く続くことで互いに困難な状況となってまうことが示された。これらの知見から,支援方法として学童期ASD児なりの調整方略を周囲は丁寧に観察し,意味を考え,本人にフィードバックするとともに必要な方略の学習を促すことの必要性について検討することができた。得られた結果の一部は学会にて発表し,併せて論文執筆作業も行った。 また,令和3年度は10月から3月の14日間,学童保育場面にて,一般小学生を対象とした自然観察を実施した。併せて,随時得られたデータの分析も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響によりフィールドでの調査実施が困難となることがしばしばあり,想定した程のデータ収集は難しかった。しかし,有難くも様々な方々のお力添えを得ることで計画通りに進展できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度である。学童保育場面での自然観察のデータの分析をすすめながら,学童期ASD児の自然観察研の知見と見比べ,必要な支援方法を検討するとともに,次なる研究への示唆を得たいと考えている。そして学会発表および論文執筆作業をすすめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により当初計画していた研究方法を変更した。そのため実施に際して経費がほとんどかからない状況となった。また新型コロナウイルス感染症の影響で学会が軒並みオンライン開催となったことで旅費もかからない状況となった。これらが次年度使用額が生じた理由である。 次年度の使用計画については,データの分析および学会発表,論文執筆に必要なる資料や消耗品購入に使用する。
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Research Products
(1 results)