2023 Fiscal Year Research-status Report
AYA世代婦人科がん体験者における女性性の危機と再適応を促す因果モデルの検証
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20K03464
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
中澤 良子 (大場良子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80381432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽鳥 健司 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (10458698)
飯岡 由紀子 埼玉県立大学, 大学院保健医療福祉学研究科, 教授 (40275318)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | AYA世代 / 婦人科がん体験者 / 女性性の危機 / 再適応過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,AYA世代婦人科がん体験者が知覚する女性性の危機意識の構造と女性性の危機を低減するための肯定的心理資源および支持要因を解明し、再適応を促す因果モデルを検討することである。さらに,実証研究で得られた因果モデルに基づいて,心理社会的支援プログラムを検討することである。 2023年度は,量的調査の解析を進め,婦人科がん体験者固有の女性性の危機意識尺度を作成し,信頼性および基準関連妥当性を検討した。また,女性性の危機意識の規定要因の明確化と,女性性の危機と再適応の因果モデルを検証した。女性特有がんのサポートグループに会員登録しているがん体験者 448 名に対し,調査票を配布し,140部を回収した。分析対象者は,乳がん体験者を除いた婦人科がん体験者 116 名のみとした。婦人科がん体験者の女性性の危機意識尺度は,「女性的身体像の喪失危機」,「妊孕性の喪失危機」,「女性らしさの喪失危機」,「パートナーとの接触懸念」の4つの因子で構成され,高い信頼性と基準関連妥当性が確認された。女性性の危機意識の規定要因には,診断時の年齢,がん治療後の経過期間,パートナーの有無,子どもの有無,診断時の月経状況,相談できる医療者の有無が影響していた。女性性の危機と再適応の因果モデルの検討では,「女性的身体像の喪失危機」は,「本来感」を抑制し,心理的 well-being の「自律性」,「自己受容」,「人生の目的」,「環境制御力」を抑制していた。「妊孕性の喪失危機」は「社会的比較志向性」を促進し,「自律性」や「自己受容」を抑制していた。婦人科がん体験者における「ピアサポート機能」や対処方略の「問題解決・サポート希求」や「肯定的解釈・気そらし」は,本来感や心理的 well-being と関連が示され,再適応を促進する要因であることが明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
婦人科がん体験者を対象とする量的調査では,回収率があがらず,回収期間を延長するなどして対応した。本研究の目的を達成するために必要な調査対象者数の確保が難しく,各世代の対象数,子どもやパートナーの有無といった属性を考慮した因果モデルの検証をすることが課題となった。 また,調査はすべて終了しているが,これまでの質的調査と量的調査の結果を統合したうえで,婦人科がん体験者の心理社会的支援プログラムを作成,試行,評価することが残された課題であり,予定の研究期間を延長する必要性が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでの質的調査と量的調査の結果を統合したうえで,婦人科がん体験者の心理社会的支援プログラムを作成,試行,評価することが残された課題である。当初の目的では,プログラムの試行と評価までを行う予定であったが,延長申請期間内での達成を考慮すると,最終年度は,心理社会的支援プログラム案の作成までと変更して,これまでの研究成果を関連学会や論文として発表していくことを目標とする。
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Causes of Carryover |
心理社会的プログラムの作成にあたり,協力いただく患者会との打ち合わせなどに関わる会議費,謝金,アルバイト代,質的調査および量的調査の成果発表のための参加費や旅費を計画する。
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