2022 Fiscal Year Research-status Report
Unified homological algebra encompassing exact, abelian, triangulated categories and its enhancement
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20K03532
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中岡 宏行 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (90568677)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 完全圏 / 三角圏 / アーベル圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では目的として、ホモロジー代数のための主要な圏論的舞台であるアーベル圏・完全圏および三角圏を含む圏のクラスであるextriangulated categoryに関する理論的枠組みの発展を挙げている。今年度は、投稿中であった「extriangulated categoryの局所化の一般論」を与えた論文"Localization of extriangulated categories"がJournal of Algebraから出版された。この論文では、アーベル圏のSerre商、三角圏のVerdier商を含む種々の局所化を統一する一般的な構成を与えている。(また、昨年度Communications in Algebraに受理済みであったgentle algebraのAvella‐Alaminos-Geiss不変量について調べた論文"Finite gentle repetitions of gentle algebras and their Avella-Alaminos-Geiss invariants"は今年度、同誌により巻・号が付された出版状態となった。)
Extriangulated categoryにおけるsilting対象および変異について扱ったプレプリントは今年度arXivに掲載。また、昨年度以前にarXivに掲載されたプレプリントのうち、高次extensionについて論じた"Positive and negative extensions in extriangulated categories"は今年度に再改訂を行った。論文誌に投稿予定。Auslander-Reiten理論を扱った"Auslander-Reiten theory in extriangulated categories"は査読者の指示により改訂を行い、今年度に改訂版を提出した。再度査読中となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に挙げた事柄のうち三角圏への埋め込みについては、一般的な状況では埋め込みに必要な構造を与えることが難しく、適切な条件の調査を続けている。完全圏の場合には複体のホモトピー圏を局所化して導来圏を得ることで埋め込みが得られるが、一般的なextriangulated categoryの場合にはconflationの情報のみではExt関手あるいはtriangleが定まらないため、同様の構成を行うならば「複体のホモトピー圏」に相当するものにExt関手の情報を与えたより豊かな圏を考察する必要が生じる。さらに、この圏に局所化を行うことでもとのextriangulated categoryが構造を保ったまま埋め込めるよう、適切な局所化を行う必要があると考えられるため、これらの条件の探索を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」に記載のとおり、extriangulated categoryの埋め込みの考察では局所化が重要な役割を担うと考えている。これまでに得た局所化の一般論を活用して、この課題の推進を行いたい。 また、本研究課題ではextriangulated categoryについて高次圏論的な視点からの考察も目的としている。最近、extriangulated categoryに関係する2-圏論的な構造についての研究結果が他研究者たちに依りもたらされており、こうした研究結果との関連を詳しく見ることが、今後の研究の推進に繋がると考えている。
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Causes of Carryover |
補助事業期間中に新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により当初予定していた研究集会・研究打ち合わせのための出張などが中止・延期あるいはオンラインとなったことが、次年度使用額の生じた主な原因です。これら次年度への繰り越し分については、延期となった集会等が実施された場合の出張費、オンラインでの研究発表・研究打合せのために必要となる諸費用などに使用予定です。
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