2023 Fiscal Year Research-status Report
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20K03563
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
森澤 貴之 工学院大学, 教育推進機構, 准教授 (50724374)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 単数 / 類数 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度、研究代表者は以下の研究を行った。 1)pを素数とする。本研究課題において扱う無限次代数体の中で、有理数体上の円分的Z_p-拡大体を考える。本年度も引き続き、この有理数体上の円分的Z_p-拡大体の無限個の中間体のイデアル類群の位数(類数)に注目して研究を行った。本研究課題で取り扱う有理数体上の実アーベル拡大体の類数は、その(相対)単数群と(相対)円単数群の商群の位数と関連があることが知られている。そこで、令和4年度までにおいては、相対単数群に対し合同式から定まる部分群列と、ガロア作用から定まる部分群列の2つの異なる部分群列を定義し、それらの部分群列に関する研究を進めてきた。これに対し本年度は、それらの結果を用いて有理数体上の円分的Z_p-拡大体の無限個の中間体のイデアル類群の位数の非可除性への応用についての研究を進めた。 2)本年度は、令和4年度までに得られた有理数体上の研究結果を他の実アーベル拡大体上で展開すべく研究をすすめた。そのための第一歩として、pを4を法として1と合同な素数とし、有理数体にpの平方根を付け加えた実アーベル体上の円分的Z_p-拡大体の場合に研究を進めた。この場合においても、pに関するある条件の下では、上記の有理数体上の円分的Z_p-拡大体の場合と類似する結果を得た。すなわち、相対単数群に対し、合同式から定まる部分群列とガロア作用から定まる部分群列がある種の条件の下で一致することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
pが4を法として1と合同である場合、有理数体にpの平方根を付け加えた実アーベル体上の円分的Z_p-拡大体の相対単数について、ある程度期待される結果が得られた。しかし、これはpに関するある条件の下での結果であり、その条件を外すまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、pが4を法として1と合同である場合、有理数体にpの平方根を付け加えた実アーベル体上の円分的Z_p-拡大体の相対単数について、pに関するある条件の下で結果を得た。この結果は、無条件に成立することが期待されるため、その証明を目指す。
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Causes of Carryover |
研究期間における感染症の流行の影響により、申請当初に予定していた出張を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は積極的に旅費として用いたいと考えている。
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