2022 Fiscal Year Research-status Report
福島原発トリチウム汚染水問題解決を目指した核力第一原理計算によるt+p反応の分析
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20K03967
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
青山 茂義 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60311528)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / 核反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、核力第一原理を用いて、トリチウムと陽子の完全衝突(完全変換)について、波動関数を用いた分析を行うための数値計算コードの開発を行った。また、既に着手していた角運動量J=0に加えて、角運動量J=1とJ=2の場合も計算、及び、分析を行った。 また、今後の5核子系以上の適用をおこなうための理論的発展を目指して、量子アニーリングコンピュータを用いた研究の方法論の検討とコード開発を行った。 核子数の多い原子核の分析には、コンピュータメモリの使用量を減らすことが必要であるが、今回、分析で用いている確率論的手法に加えて、機械学習の手法が有用であると期待できる。現在、方法論は目処がついた。 トリチウムと陽子の完全衝突(完全変換)に関する一連の代表的結果は、イタリアで開催された第6回「Topical Workshops on Modern Aspects of Nuclear Structure」で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,トリフプルクグローバルべクトル法に微視的R行列理論を組み合わせた核力第一原理計算の手法を用い 、スーパーコンピュータ(超並列計算機)を用いた大規模数値計算を行った。 目的の一つであった角運動量J=1とJ=2の場合も計算を行って、予定していた研究内容が概ね終了し、最終的な分析や論文作成段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、核力第一原理を用いて、4核子系の分析を行ってきた。5核子系や6核子系にも、5Heや6Heなど興味を集めている原子核がある。これらの分析には、更にコンピュータメモリの使用量を減らすことが必要であるが、その一つとして機械学習の手法が有用であると期待できる。現在、方法論は目処がつき、計算コードの開発に着手した。今後は、機械学習の手法と組み合わせることにより、より核子数の多い原子核の分析も行う方針である。
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Causes of Carryover |
予定していた国際会議や学会発表が、コロナ禍で中止になった。2023年度は、多くの学会が開催されるので、遅れて発表することにした。
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