2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K03995
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
松田 洋平 甲南大学, 理工学部, 准教授 (50569043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 隼人 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教 (30649083)
坂口 治隆 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (30025465)
銭廣 十三 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70529057)
伊藤 正俊 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (30400435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 炭素同位体 / 放射性同位体 / 粉末成形 / 熱分解反応 / 酸化還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
高濃度炭素14標的の作成方法として、高濃度炭素14の粉末成形が考えられる。現在、市場では高濃度の炭素14粉末は取り扱われていないが、炭酸バリウムなどの形では入手可能である。そこで炭酸バリウムから炭素粉末を生成する方法を考え、実際に高濃度炭素14粉末を用意する方法として妥当か「安全性、収率」を基準に検証実験を行った。実験では、12 mgの天然存在比または同位体比98%以上の炭素13を含む炭酸バリウムを用いた。 炭酸バリウムから炭素粉末を生成する手順としては、(1)炭酸バリウムの熱分解反応による二酸化炭素の生成、(2)二酸化炭素とマグネシウムの酸化還元反による炭素粉末の生成、(3)濾過による炭素粉末の分離抽出が考えられる。(1)の過程では高い熱分解反応温度が問題となるが、塩化鉛(II)と塩化銀(I)を混ぜることで熱分解反応温度を摂氏400度まで下げることに成功した。(2)では使用するマグネシウムの量によって炭素粉末の収量が変わることが明らかになったので、使用する量の最適化によりほぼ100%の二酸化炭素を還元することに成功した。(3)では濾過装置を構築し炭素粉末が回収できることを確認した。また、得られた粉末をプレス機で成形したところ粒径が荒く、標的作成のためには粉砕の必要性が明らかになった。 安全性については、耐熱仕様の部品を使用し適宜装置の構造を見直すことで、最終年度の全ての試験においては失敗することなく粉末の生成が行えた。収率については、容器内に生成または消費された二酸化炭素の圧力を測定することにより、全ての試験においてほぼ100%の炭素が熱分解反応と酸化還元反応に寄与していることを確認した。最終的に回収できた炭素粉末の量は、電子天秤で計測し確認した。その結果、ほぼ100%の12±1 mgの回収に成功していることが判明した。誤差は測定に用いた電子天秤によるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)