2021 Fiscal Year Research-status Report
A bottleneck-free data acquisition system for particle measurements
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20K04005
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
五十嵐 洋一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (50311121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智則 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 協力研究員 (80612134)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DAQ / データ収集 / 粒子線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、10G Ethernet で接続された複数の計算機に開発中の FairMQ/redis を利用したデータ収集フレームワークを導入し、ネットワーク分散環境でデータ収集フレームワークが機能するかの実証を行った。このデータ収集フレームワークは沢山のプロセスが通信しながら協調動作する。そのため、このデータ収集フレームワークでどの程度のデータ処理が可能かを調べた。高速なサーバーPCを使用した場合、このフレームワークでは数珠つなぎにした場合およそ 620 MiB/s くらいでデータを受け渡していることが分かった、これは 10Gbps Ethernet を通してもほとんど変化しなかった。これは 10G Ethernet で繋がれた計算機群でこのフレームワークは機能することを示している。 次にソフトウェアトリガーの処理をするための 1-n-1 構成で、複数のワーカープロセスを接続しデータの受け渡し速度を調べたところ、十分な数のワーカープロセスがあれば1150MiB/s でソフトウェアトリガー処理が可能であることを示すことができた。 一方、多数のプロセスを管理するデータベース側のスケーラビリティを調査したところおよそ700プロセスまでは問題なく動くがそれ以上の場合はデータベースとの接続が切れてしまい問題が起こってくることもわかってきた。 これらにより、開発中のデータ収集フレームワークが複数の計算機をまたいで十分に機能していることが検証され、1000を超えるプロセスを取り扱うためにはデータベース接続の問題点を理解し解決する必要があることが理解された。 また、J-PARC E16 実験 RUN0 において、一部の検出器に試験的な導入を行い実際のデータの収集を行った。これにより実際の粒子計測実験実験においても使用可能であることが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度においては、複数の計算機環境で開発中のデータ収集フレームワークが良く機能することが実証できた。同時に管理できるプロセス数の暫定的な限界も理解できた。また、J-PARC E16 実験の一部の検出器のデータ収集に実際に用いた。これらは一応のマイルストーンに到達したといえる。一方 計算機の数を増やして実証を進めていくことがまだ出来ていない。代表的なクラウド環境である Amazon EC2 上で多数の仮想機械を実行し、その上で 1000 以上のプロセスを実行した上で基本的なオンライントリガーである複数の検出器のコインシデンスを取るオンラインソフトウェアトリガーの実装を試みているが、未到達であった。その点ではやや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、本年度の方針を継続し2つの方向性をもって研究を進める。 一つは実際の実験に適用して実際に運用可能であることを示していくこと。これは、来年年初にJ-PARCハドロンホールにおいて行われる検出器のビーム試験において、オンライントリガーを含めた全面的な利用を試みることを計画している。 もう一方は、現在進めているクラウド環境上での大規模試験によるフレームワークの問題の洗い出しである。現在生じている問題を解決した上でも、プロセス数が1000を超えるようになると未知の問題が発生してくる可能性がある。それらを理解し解決を進めていく。 これらを進めた上でユーザーインターフェースの開発やドキュメンテーションなどを進める。その時点で一段落として、まとめを行い検出器やデータ収集の会議で講演、論文出版を目指していくことを検討している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国際会議がリモート会議開催になり旅費を使用しなかったこと、および大量の仮想計算機を用いた大規模なデータ収集フレームワークの評価試験が次年度に持ち越しになったことにより、次年度使用額が生じた。 次年度においては予定されている大規模試験を行うためのクラウドサービスと仮想計算機の使用料、ビームを用いた検出器試験に用いるデータ収集フレームワークを稼働させるための計算機やネットワーク機器、ハードディスク等の購入に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)