2020 Fiscal Year Research-status Report
Systematic studies of the coronal radio emission from supermassive black holes
Project/Area Number |
20K04020
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
土居 明広 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (90403641)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ブラックホール / 活動銀河核 / 電波 / ALMA / 宇宙工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は、近年初めて電波帯にて検出された、活動銀河核ブラックホールに付随するコロナからの放射について、観測対象を多数の近傍AGNに拡大してサンプル数を増やし、 コロナの普遍性/多様性を系統的に調査するものである。 2020年度は、(1) ALMA Cycle-6にて取得された多数の近傍Seyfert銀河についての観測データを分析する、(2)ALMA Cycle-7 にて採択されたNarrow-line Seyfert 1型銀河についての観測を実施する、(3)Cycle-3/4 で取得された強度変動を探査した観測データを分析する、(4)将来研究の展望として米国のスペース衛星計画の検討および国内の気球実験計画に貢献する、ことを計画していた。 その計画に対する進捗状況は、(1)いくつかの近傍Seyfert銀河において新たなミリ波超過成分が検出された。これは活動銀河核ブラックホールにおいてコロナ現象による電波放射が普遍的に存在する可能性を示す結果である。(2)Cycle-7 は新型コロナウィルスの流行により観測所の運営が停止し、観測が順延となったため待機となっているが、VLA アーカイブデータを用いたnarrow-line Seyfert 1の電波観測研究の結果を出版した。 (3)Cycle-3/4のみならず、Cycle-6のデータからも有意な強度変動が観測された。コロナ領域の物理サイズおよび粒子加速冷却過程のタイムスケールを制限する根拠がえられた。(4)米国で行われるスペース衛星計画へは、新型ウィルスの流行により、海外渡航ができず、オンライン参加をおこなった。また気球実験にも挑んだが、気象条件が適合せず、来年度へ延期となった。さらに追加として (5)NGC 1068に見られる高エネルギーニュートリノ放射源の候補としてブラックホールコロナの可能性を検討した論文ほかを出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型ウィルスの流行により ALMA 観測や海外研究会への出席に影響が出たが、4つの論文出版となる成果を得た。ALMAへの観測提案書も4つ提出し、新たなデータを取得する活動も精力的に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、(1) ALMA Cycle-6にて取得された多数の近傍Seyfert銀河についての研究成果を論文出版することを目指す、(2)ALMA Cycle-7 にて採択されたNarrow-line Seyfert 1型銀河についての観測データを獲得する、(3)Cycle-3/4 で取得された強度変動を探査した研究成果を論文出版することを目指す、(4)将来研究の展望として米国のスペース衛星計画の検討および国内の気球実験計画に貢献する、という計画案のもと研究を実施する。
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Causes of Carryover |
新型ウィルスの流行により海外渡航が不可能となったため、国際研究会の出席ができなかった。そのために見込んでいた海外旅費は、次年度に繰り越し執行する予定とする。
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Research Products
(9 results)