2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploring petit-spot volcanoes into accretionary complex
Project/Area Number |
20K04098
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 直人 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (00451831)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルカリ玄武岩 / 付加体 / プチスポット / 二酸化炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度採取した付加体中の玄武岩試料、および北西太平洋海底で得られたプチスポット玄武岩試料の解析と分析を勧めた。房総半島南部の嶺岡山地に分布する海底岩石(枕状玄武岩)の古地磁気データと噴出年代データに基づき、根室地域に分布する同時代の岩石の起源となっていたことが判明した。根室地域および房総半島南部の嶺岡山地の玄武岩は、形成当時7000万年前に現在よりはるか当南方の海洋で形成されたことが判明した(Ganbat, Pastor-Galan, Hirano et al., 2021, J. Geophys. Res. 126, e2020JB021492)。このうち、アルカリ玄武岩が示す古緯度と年代は他のオフィオライト玄武岩とは異なる起源であることが示されている。また、著書「大陸と日本をつなぐ自然史:地質・生態系の総合研究最前線」(鹿野, 平野, 千葉, 2021, 古今書院)では、北海道と本州、さらに千島列島をはじめとする極東ロシアの共通地質について執筆した。プチスポット玄武岩では、マグマ中の高濃度CO2量に依存する化学組成変化を抽出し、太平洋プレートの構造復元を行った(Hirano & Machida, in press, Comm. Earth Environ.)。またプチスポット火山体周囲の深海底の地質擾乱の存在が、プレート境界型巨大地震の震源域範囲を規制していると予測されていたが、実際得られた岩石から実証された(Akizawa , Hirano et al., 2022, Marine Geol. 444, 106712)。更に、南鳥島本体の海底から採取された玄武岩試料から本共同研究に係る一部のデータ取得を行い、南鳥島の基盤の形成史が初めて明らかとなった(Hirano et al., 2021, Island Arc 30, e12386)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
玄武岩試料の解析や分析が順調に進んだ。投稿論文や著書の出版数も計画以上に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き玄武岩試料の分析を進め、研究報告として研究論文の投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
岩石試料の化学分析と他機関との共同研究を集中的に行うの年度としたため、調査旅費や学会参加経費が計上されなかった。
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Research Products
(13 results)